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【銀行融資ブログNO.123】不動産売買業へのコミットメントラインが出てきてる

2023/03/15

以前から、コミットメントラインについてはお話をさせて頂いておりまが、従前は中堅・大企業向けの商品でしたが、中小企業向けにもコミットメントラインの提案が多くなってきております。
私のクライアントで「不動産売買業」の会社がありますが、今般、大手地銀から不動産仕入れ資金としてのコミットメントラインの提案がありました。
私の中ではなかなか斬新で面白い商品の提案だったので、今回はご紹介させて頂きます。

不動産仕入れ資金のコミットメントラインとは

一般的なコミットメントラインでは資金使途は「運転資金」として扱われますが、不動産売買業者での「運転資金」とは「不動産仕入れ資金」になります。今回の提案は、資金使途を「不動産仕入れ資金」として使うことに限定したコミットメントラインになります。

今回の商品概要は以下のようになっております。

  • 極度金額は「2億」円
  • 1物件当たり上限「5千万」円
  • 物件は建築基準法上適正な物件であること(物件の審査は行う)
  • 物件所在地は地銀の営業エリア内
  • 極度額内かつ1物件5千万円以内であれば複数物件の仕入れが可能
  • 仕入時から販売までの期間は原則「1年以内」だが、最大「1年半」まで延長可能
  • 利はTIBOR6ヶ月+0.5%(およそ0.63%)

不動産売買業者向けの融資は銀行では「プロジェクト融資」と呼ばれており、基本的には「1物件1融資」の考え方をとっており、1物件ごとに審査を行い審査期間も長い時は1ヶ月ほどかかります。
また、1物件のプロジェクトが終わるまで(売却完了するまで)は、新しい融資は行わないことが多く、本商品はこういった基本的な考え方から一歩踏み込んだものになります。

不動産会社のメリットは大きい

本商品の不動産会社からのメリットは以下になります。

  • 極度内なら「複数物件」の仕入れが可能
  • 1物件ごとの審査時間が短縮される
  • 小額物件で自己資金を使わずに仕入れられる
  • 大型物件(5千万円以上)は個別に対応してもらう

いちいち審査で膨大な書類を提出し、審査時間がかかる懸念もなくなります。
一方、当初契約時とコミットメントラインの更新時には「手数料」がかかることになり、「営業利益が2期連続赤字にならない」ことなどの「財務制限条項」も課せられます。
ただ、コスト以上のメリットは十分あるもので、銀行融資の考え方も手数料稼ぎの手段とは言うものの、柔軟になってきている印象があります。

バックナンバーもご参考にしてください。
中小企業にも「コミットメントライン」の提案が増えてきている

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