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【銀行融資ブログNO.75】コベナンツ融資を提案されたら

2020/01/15

コベナンツ融資を提案されたら「保証人解除」を申し出るべし

以前、「コベナンツ(財務制限条項)融資」についてお話をしました。
最近、コベナンツ融資が広く使われてきておりますが、さらに銀行交渉力を高めるために「連帯保証人」の解除を絡めた交渉をについて今回はお話をさせて頂きます。

コベナンツ融資は「正常先要件」を満たすために必要な条項を入れている。

コベナンツ条項にはいろんな種類がありますが、主としてあるのは業績に関わるコベナンツ条項になります。

例えば

  • 営業利益が2期連続赤字なってはいけない
  • 自己資本比率が〇%を維持していないといけない
  • 有利子負債が総資産の〇%を超えてはいけない

などなどがあり、いずれも信用格付を「正常先」に維持するために必要な条項です。

ほかには大きな資産の取得・処分の場合は事前報告を求めるとか、役員人事の報告とか、定例的に業績の報告を求めるなどありますが、これは大した話ではありません。

逆の言い方をすれば、この条項に触れる事態になると「要注意先」に陥る可能性が高くなるということです。

とすれば、この条項を順守している状態であれば「正常先」となることから、「経営者保証ガイドライン」の必要3条件にある「会社の資産で負債を賄える」状態にあると言えます。
(わかりやすく言えば、「正常先」=「実質の純資産がプラス」ということです)

つまり、正常先であれば、「債務保証」を外す可能性が高くなると言えます。
(厳密にはこれだけでは全ての要件を満たしてはおりませんが)

「無保証人」のためのコベナンツ条項もある

一方、「無保証人」にする代わりに、このコベナンツ条項を順守してくださいね!とする契約方式もあります。

条項の内容はさきほど挙げた例と被るところも多いです。(要は「正常先」を維持してって意味です)

この条項に抵触してしまったら「代表者の保証を求めます」といった内容の契約になります。

コベナンツ条項の制定は企業にとって有利なのか?

一概には言えませんが、私はコベナンツ融資は「銀行が手数料稼ぎのためのスキーム融資」としてとらえておりません。
貸出金利を安くする代わりに、組成手数料を高くとり、かつ毎年「モニタリング手数料」と称して手数料を取り上げるパターンです。
企業としては、「金利が安くなる」「保証人がない」などのメリットはあるものの、業績を維持するプレッシャーが余計にかかることになります。(もちろん、一般的に経営者として増収増益を目指すことは当然ですが)

何が言いたいかといいますと、中小企業の業績は先が読みにくく、外部環境に左右されやすいことから、目先の金利に踊らされることなく、ノーマルに融資を受けるのが「王道」と思っております。

ただし、もし「コベナンツ融資」を提案されたら、対案として「無保証」にしてくれ!とお願いするのは一理あると思います。

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