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【銀行融資ブログNO.74】事業承継時に使える

2020/01/01

事業承継時に使える「経営者保証不要」の信用保証制度ができる!

中小企業庁は、事業承継時に経営者保証を不要にする新たな信用保証制度を検討しております。

新たな信用保証制度の大きな特徴は「既存のプロパー融資の借り換えがOK!」の点です。
つまり、既にプロパーで保証人を差し出している借入金を、今回の保証人不要の借入で肩変わることで、「保証人なし」の借入にしてしまう!ということです。

「旧債振替」をOKとするのは画期的

現在も保証協会の借入にてプロパー融資を肩代るのは「旧債振替」と呼ばれ、ご法度とされています。
銀行が自前のリスクを保証協会に押し付けることはダメだという意味です。

ただし、今回の新たな保証制度では「事業承継時」の条件付きではありますが、後継者が保証人になりたくない懸念を払しょくさせてくれる意味で有効なものになるでしょう。

本制度が使える企業の条件とは

まだ、制度の対象企業は検討段階にはありますが、現在のところ以下の点が候補に挙がっています。

  1. 債務超過ではないこと
    銀行の信用格付が「正常先」であること
  2. リスケジュールを行っていないこと
    借入の返済が当初の条件にてきちんと履行されていることです。
    ただし、過去にリスケの実績があっても現在は「正常化」していればOKです。
  3. EBITDA有利子負債倍率が「10倍」以内
    EBITDAは聞きなれない方もいると思いますが、以下の式で計算します。
    (「総借入金」-「現預金」)÷(「営業利益」+「減価償却費」)=10倍以内
    簡単に言いますと、「手元資金を差し引いた実態の借入金」が「キャッシュ利益」の何倍になるのかを表しています。アバウトな言い方をすれば、1.の格付けが正常先であれば、3.の指標を満たしている企業が多いはずです。(ただし、1.の全てが3.を満たすわけではありません)
  4. 「法人」と「経営者個人」の資産が明確に区分・分離されていること
    こちらは、ブログバックナンバー「経営者保証ガイドラインの3要件」でも触れている内容と同じです。特に、会社のお金が経営者個人に流れているケース(仮払金・貸付金がある)とダメになります。

今のところ分かっている情報はこのレベルになりますが、事業承継時に保証人を不要にし、かつプロパー融資の借り換えもOKとしている点は斬新だと思います。

恐らく来年度からのスタートになると思いますが、新たな情報が出ましたら、こちらでも発信させて頂きます。

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