金利が安いだけで融資を判断するのはいけない
今回は、「金利だけで銀行を選ぶ落とし穴」についてお話をさせて頂きます。
銀行(金融機関)の種類には「メガバンク」「地方銀行」「信用組合」「信用金庫」「政府系金融機関」などがあります。(ネットバンクは除きます)
それぞれの金融機関には特徴や役割があり、メリット・デメリットもあります。
企業が成長するに従って規模も大きくなり、取引銀行の数が増えていくことになりますが、その際に考えなければならないのが、ラインナップをどうするかです。
では、どの金融機関を優先して付き合うべきでしょうか?企業として付き合うべき銀行の優先順位を上げてみます。(あくまで私の持論ですが)
1.が優先度が高くなります。しかし、この順序を見てみると、前回お話しした金利の構成要素の1.「調達コスト」が高い順番になっていると思いませんか?
信金、信組は金利が高くても、「小回りがきくこと」「業績が悪化してきたとしても親身になってくれる」点が大きなメリットとしてあるのです。これは金利に見えない部分になります。
一方、メガバンクは調達コストが低いことから、低い金利を提示できますが、規模が小さな会社には担当者も目をかけてくれず、小口の融資には動きが悪いデメリットがあります。
つまり、金利が高くても付き合う意味を認識しておくことが大切なのです。
よく新規取引を行う際に「名刺代わりのサービス金利」を提示する銀行が多くあります。
また、他の銀行の取引を肩代わりたいために、無理な低金利で提案をしてくることもあります。ただし、このような「無理のある低い金利」の取引は長続きはしません。
最初は良くても、1年後、2年後に銀行サイドで「採算が悪くなってきているから金利を改善するように」と指示が入ってくるケースが多くあります。
もちろん、企業経営にとって「金利」は「コスト」になりますので、少しでも安くしたい気持ちはよくわかります。
ただし、銀行取引で大切なのは
「長く発展的な取引を行っていくこと」
「お互いにウィンウィンの関係を築いていくこと」
ことがありますので、「金利だけ」で判断されることのないようにして頂けたらと思います。