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【事業再生ブログNO.97】会社のお金で投資詐欺にひっかかってしまったら銀行にはどう説明するか?

2024/08/01

以前、ご相談のあった会社の実話になります。
当社は既にリスケを行っており、僅かですが毎月元金の返済を続けております。ここ数年、地道に本業を頑張って手元資金を貯めておりました。
しかし、経営者が欲を出してしまい、さらに手元資金を増やそうとし、FXに手を出してしまい、さらにその投資機関が存在しない「詐欺」にひっかかってしまったのです。その額10,000千円にもなりました。
(当社の当時の手元資金は13,000千円ほどあった)
このような状況で金融機関にはどう対処したらよいのかのご相談がありました。

金融機関には「お詫び」以外ありません。

当社の経営者からは「どうにか銀行を誤魔化すことはできないか?」と聞かれましたが、そんな手段はありません。投資先が「詐欺」であろうがなかろうが、会社のお金を外部に流出された事実は変わりません。

まず、帳簿としては「仮払金」または「代表者宛貸付金」にて処理する以外ありません。
※実際に「詐欺」として認定されるにしても警察に動いてもらい、かつ事件化させる必要があり、仮に事件化されたところで、雑損になるとも言えないと思います。

その前に、リスケをしている最中で手元預金を大きく棄損させてしまったことは間違いなく、金融機関としても青天の霹靂といった感じになるでしょう。

ここで出来ることは「事実をきちんと説明しお詫びする」以外ありません。

会社の決算書にもきちんと「仮払」または「貸付金」として処理すべきです。(間違っても「現金」での処理はやめてください)

どのような責めを負わないといけないのか?

次に銀行からどのような咎を受けるのか?ですが、ここは難しい話です。考えらるのは

〇期限の利益を喪失させることができるのか
 →当然・請求の事由には今回のケースは該当せず、期限の利益は守られる
〇リスケの返済額を増加させるのか
 →返済のリスクが上がることから増額させたいことから、これはありえる。
〇役員報酬の削減でけじめをつけるのか
 →経営者責任として当然言われる
〇新たに担保価値のある資産を求めるのか
 →もう既に資産がなければ、これも無理
〇金利を引き上げるのか
 →一番ペナルティとしてありえる。

つまり、話を整理すると、今のリスケの契約における期限の利益は守られるが、次回更新時において「金利」「返済額」のUPは求められて当然と言えます。
さらに役員報酬の削減または削減がなくとも、役員報酬から会社に返済を求めてくることも十分に考えられます。

こちらのブログでは何度も申し上げておりますが

「会社のお金で財テク・投資は絶対にしない」これを不文律として守っていくことが大切です。

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