リスケジュールを開始して、返済原資が確保できるようになると元金返済を開始しますが、その際に毎年返済額が増えたり減ったりするのは銀行にとって望ましいことでしょうか?
今回は、私のクライアントの実例に基づいて、返済額をどのように決めていけばいいのか?その考え方について2回に分けてお話をします。
リスケ中での返済原資は言うまでもありませんが、本業で稼いだ営業キャッシュフロー(以下CF)になります。つまり、返済原資は手元預金を取り崩して返済するのではなく、あくまで利益で稼いだ原資を返済に充てることになります。
では、営業CFで稼いだ分を全て返済に回す必要があるのか?と質問を受けますが、その必要は全くなく優先すべきものは「手元資金の回復」になります。
理想形としては
CFの「50%を返済」し、残り「50%を貯金」すること形です。
ただし、銀行はCFの「70%」を返済に回してほしいとか?とにかく返済額を多く確保したいことから、50%以上の水準を求めてくることが多いのですが、銀行のいう「70%」に特に根拠はなく、あくまで返済額の決め方のルールは債務者から決めるのが大切になります。
さらに「手元資金の回復」を大義にすることから、「いくらまで回復させたいのか」についても具体的な金額を明示する必要があります。
前述で、返済額の基本形のお話をしましたが、では下記のような状況があった時はどのような対処をしたらよいでしょうか?
返済開始1年目:CF5,000千円→返済額5,000×50%=2,500千円
返済開始2年目 CF10,000千円→返済額10,000×50%=5,000千円
返済開始3年目 CF1,000千円→返済額1,000千円×50%=500千円
返済開始4年目 CF0 →返済額????
返済開始して1年目、2年目では順調にCFが増加し、返済額も増加しているので銀行は全く文句は言いません。しかし、3年目にCFが減少してしまい、返済額も減少してしまってます。
この状況において銀行の担当者はどう考えるでしょうか?
〇1年目、2年目と返済額が増加しているのに、3年目で減少してしまうのは稟議が書きづらい
〇返済額の考え方(CFの50%)のルールを変更させたい
〇返済額の減少は受け入れるが、稟議に何か「お土産(交渉して成果を得たい)」が欲しい
といったことを考えるはずです。(私が銀行員だった時はそうだったので)
さらに、4年目でCFがマイナスになってしまい、返済額が「0」になるとさらに稟議は書きづらいものになります。
ではこのような状況ではどのように対処したらよいでしょうか?対処法としてはいくつかあります。具体的な対処法については次回お話をさせて頂きます。