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【事業再生ブログNO.89】バンクミーティングが必要でなくなる時はどういう状況か?

2023/05/15

リスケジュール(以下リスケ)をする際に、複数の金融機関と融資取引をしている場合に「バンクミーティング(以下BM)」を行うケースがあります。
金融機関が一同に会することで説明の手間が省けるメリットもありますが、一部の銀行の言い分が発端となって合意形成が難しくなる場合もあり、一長一短とも言えます。
今回はそもそも「BM」とは何か?そして「BM」が必要でなくなる時はどういった場合かについてお話させて頂きます。

バンクミーティングが必要な場合

そもそもリスケする際に、BMが必ず必要ではありません。では取引金融機関がBMを求めるケースはどういった場合があるのでしょうか?

  1. 取引金融機関の数が多い場合(取引行数5行以上)
  2. 担保関係が複雑な場合(不動産が複数銀行の担保になっているなど)
  3. 信用保証協会保証付きの借入が多い場合(保証協会の「経営サポート会議」が必要な場合)
  4. 決算書の内容に疑義がある場合(許容範囲を超える粉飾決算の疑いがある場合)
  5. リスケ交渉時に追加担保を入れてしまった場合(平等の原則を違反した場合)

私のこれまでの経験上では上記のようなケースがBMを求めてるくことが多いです。(もちろんBMが要らない場合もあります) つまり、取引行によって様々な思惑や方針がある際に、他行の方針を確認し、メイン行の意見に揃える為の「儀式」を行うようなイメージです。ただし、BMで紛糾して合意が得られない可能性もあります。

私個人的にはBMは好きでなく、あくまで個別折衝のほうが結果をしてやり易いと思ってます。理由として特に下位行の意見(金利や元金引き上げ)を封じたい場合には、個別折衝のほうがやり易いと言えます。

バンクミーティングが不要になる場合

では、リスケ当初はBMを必要としていたが、今後はBMが必要にならなくなるケースはどういった場合があるでしょうか?

  • 業績が安定してきて改善計画書通りの返済計画で問題ない場合
  • 粉飾決算の疑念が晴れた場合(第三者のデューデリジェンスで精査された場合)
  • 改善計画書の数値の信ぴょう性が高く注視する必要性が無くなってきた場合(実抜計画認定)

以上のようなケースがあります。

提出された改善計画書の達成可能性が高く、返済計画にも問題がなく、BM等での時間を費やすよりも本業に専念してもらって構わないとの「お墨付き」を得た場合と言えます。

もし、取引金融機関から「今後はBMは行わなくても大丈夫ですよ」と言われた場合は、「もう銀行が細かいことは言わないので、リスケ卒業に向けて頑張ってください」と言われていることと同じだと理解していいでしょう。

リスケを行っている経営者の皆さんにおかれましては「BMはもういりませんよ」と言ってもらえる状況にもっていくことをまずは第一目標にしてみてはいかがでしょうか?

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