リスケジュールをお願いする際には「経営改善計画書」の作成が必須なのは、皆さんもご存知だと思います。
経営改善計画の中でも一番の「肝」になるのは「売上計画」になりますが、皆さんはどのように売上計画を立てていますでしょうか?私も多くの企業の改善計画書策定に携わってきましたが、その中で黒字転換に成功した企業、リスケを卒業できた企業に共通するには、売上計画の立て方に共通点があります。
今回は、その成功例を踏まえた売上計画の立て方についてお話をします。
まずダメな売上計画の立て方にはどういうのがあるか?を2つ挙げてみます。
1.は、根拠がない「感覚値」で設定しているケースが多く、売上の「積算」ができていません。
2.は、昨年の実績は根拠のひとつにはなりますが、同じく「積算」ができておりません。
つまり、将来の売上計画を考える「根拠」に乏しい設定と見なされる可能性が高いと言えます。
「売上」=「客数」×「客単価」×「リピート率」の計算式があります。
業種によっていろいろ考え方はあるものの、基本形は上記計算式のもとで考えますが、いかに売上の中身を細分化させて積み上げて計画を立てるかがポイントになります。
売上の細分化方法については、個々の企業のビジネスモデルによって100社100通りのやり方がありますが、ここでは考え方をどうしたらよいのかについて説明します。
まずは「売上」を大区分します。
例えば「商品ごと」「取引先ごと」「売上カテゴリーごと」「工場ごと」「国内・海外ごと」などに分けます。
その「大区分」のもとでさらに「取引先ごと」「商品ごと」などの「小区分」を設定します。
私が携わった計画書の1例としては
などのマトリックスを設定しております。このように区分設定を行うことで、どの商品やサービスを〇月に、どこにいくら売るのか?とひとつづつ考えながら売上計画を積み上げていくことになります。
金融機関に計画書を提出し、説明する際にも、「売上計画」の根拠について、きちんと「積算」されていると具体的な説明ができます。
もちろん前年売上などの過去の実績と対比して設定することは大切ですし、将来は過去から推測されるものなので、上記の区分売上の過去実績も抽出しておく必要があります。
「感覚値」ではなく「積算値」
これが最大のポイントになることを念頭において改善計画を考えてみてください。
次回は、積算した売上計画の活用方法をお話しします。