リスケジュールを申し込んだ際に、取引金融機関の担当者から「ではいったん暫定リスケとして〇ヶ月間リスケ対応します」と言われたことありますか?
「暫定リスケ」って何??と思われる方も多いと思いますし、「暫定リスケ」の言葉の意味を教えて欲しいとの質問も多いので、今回は「暫定リスケ」についてお話をします。
「暫定リスケ」とは金融業界に正式にある言葉ではないようです。(私が銀行員の時代にはありませんでした。)
「暫定リスケ」の単語が出始めたのは、2007年に「金融円滑化法」がスタートしてからだと思います。
円滑化法が施行されてからは、リスケの申し出をする際に、「経営改善計画書」の提出が申し出と同時ではなくてもリスケを受け付けるルールがありました。
ただし、金融機関がその申し出企業が「1年以内に経営改善計画書をする」と認めた場合の条件付きです。とはいえ、中小零細・個人事業の方が一人で「経営改善計画書」を作成するのは1年以内とは困難な状態であったのです。
つまり、「経営改善計画書」が提出されるまでの間は「暫定リスケ期間」としてとりあえず、「仮リスケ」の対応とし、「経営改善計画書」が提出されて、その計画書を金融機関が承認してから初めて、「正式リスケ」になる流れです。
金融検査マニュアルは廃止になりましたが、リスケをした企業は私が銀行員の時代にはランク付けが「要管理先」となり、実質「不良債権」の扱いとなってしまってました。
しかし、前述の「金融円滑化法」が施行されてからは、リスケ先でも「経営改善計画書」があれば、「要注意先」に留めることが可能になり、不良債権までランクダウンしなくて済んだのです。
ご承知の通り、円滑化法は既に終わり、金融検査マニュアルも廃止となりましたが、この考え方は基本的には今も引き継がれており、「経営改善計画書」の存在は金融機関にとっても意味あるものなのです。
ただし、「経営改善計画書」の中身も「とりあえず出せばいい」ではなく、きちんと努力可能な数値目標が立てられているか?などチェック項目が多くあります。
また、取引金融機関の言いなりになった数字で、とてもこんな目標無理でしょ!といった数値計画を立てているケースも散見されます。
リスケ後の自分の首を絞めないためにも達成可能な数値設定が重要になってきます。