リスケを申し出する時にこそ、「会社の膿」を出し切るチャンスです!
レベルは色々ありますが、決算書の数字が粉飾されている会社は中小企業には特に多いと思います。特に利益を計上したいが為に「在庫」や「売掛金」などの資産を実態より多く計上しているケースが多いでしょう。
今回は、実際にクライアントであったケースのお話ですが、会社の膿を一気に出すのはどのタイミングなのか?についてお話をさせて頂きます。
※なお、「粉飾」は一切肯定するものではありませんので念押ししておきます。
経営者の心理として「黒字でなければ融資が継続できなくなる」が強くあります。赤字でも融資は100%不可能でないのですが、やはり無理をしてでも黒字決算を組んでいる企業が多いのが実態だと思います。
例えば、在庫を増やす、売上を増やすなどの「水増し」を行ったとしても、「経常収支比率」と言われる資金繰りを分析する数値でアラームが出ます。
※経常収支比率の計算式はここでは省略しますが、「在庫」「売掛金」が増えすぎると、キャッシュの出が多くなり、数値は悪化します。
つまり、自己満足で「黒字」にしたところで、「副作用」は必ず発生します。
資金繰りが悪化し、「リスケジュール」を決断しなければならない状況になった時こそが一気に会社の膿を出すチャンスです。
リスケを実施すれば、原則として暫くは新規借り入れが出来なくなります。(原則としているのはリスケ企業でも新規借り入れが出来ることがある為です)
つまり、今まで「融資の継続」のために無理に黒字化させていたことは一切不要になります。
ただし、一気に数字を整理すれば銀行から何を言われるか分からない・・・
リスケを受け付けてくれなくなるかもしれない・・
等の新たな不安が発生してきますが、銀行は「無理に黒字化」させていることは何となくはわかっているはずです。
それ以上に一気に膿を出すことで、どれだけ債務超過になったとしても、そこが再生のスタート地点になるのです。正確な債務超過額を銀行と企業が認識を一致させることが、経営改善計画書を作成する上でも重要なポイントになります。
リスケの時だけが「膿を出す」チャンスとまでは言いませんが、リスケする以上は、会社の正確な実態をきちんと認識することが一番大切です。