先日、銀行6行とリスケジュール(以下リスケ)を実施した先でバンクミーティングを行った際に実際にあったお話です。
その中で一点大きな問題が発生しました。
取引銀行の中でプロパー融資を一番多く出している某地銀が、「リスケ後」に債務者所有の不動産に対して追加担保(第2順位での根抵当権)を設定していたのです。
追加担保設定は、私がコンサルティング契約を結ぶ前に行われていたために、対処にかなり苦慮し、他行の同意を最終的に得るまでには、多くの時間が必要です。(まだ最終合意は得られてませんが)
今回は「リスケ後にやってはいけないこと」、「銀行団の足並みを乱す」ことをしてしまったらどういう状態に陥るのかについてお話をさせて頂きます。
皆さんは既にご存知だと思いますが、リスケの大原則に「プロラタの原則」があります。これは「全行平等の原則」の意味です。
平等の意味には大きく以下のふたつの意味があります。
つまり、特定の銀行だけに保全や返済額の偏りをさせることはダメだということです。
この「プロラタの原則」を破ってしまうとリスケ契約は成立しない!と言ってもいいでしょう。
逆に言えば「プロラタの原則」をきちんと守っていれば、リスケ契約の可能性は高まると言えます。
もちろん銀行も「プロラタの原則」は知っているはずですが、なぜ追加担保設定に走ってしまったのか?
その銀行の気持ちになって推測してみると
といった銀行本位の理由が考えられます。
追加担保設定をした時期は、確かに全ての銀行がリスケ契約を正式締結していない時期ではありましたが、返済額のストップは全ての銀行で形式的には行われていました。かつ一回目のバンクミーティングも行わていました。(1回目のバンクミーティングは私と出会う前だったのでその状況は正確にはわかりませんが)
私から言えば、その「隙」に動いたしか言いようがありません。
当然ながら、他行はその事実を後で(3か月後)に知ることになりますが、他行は怒り心頭です。
そうなるとリスケの合意が取れなくなってしまうのです。
では、その状況をいかに打開するか? そのお話は次回にさせて頂きます。