先日、TV東京にて「ラストチャンス 再生請負人」のタイトルで連続ドラマが放送されていました。
元銀行員が飲食店FC運営会社の社長に就任することになり、苦難の連続から会社をどん底から救っていくストーリーです。
今回は、そのドラマの感想みたいな感じになりますが、そのなかで、私が感じた事業再生へのヒントはどこにあるかについて、お話をさせて頂きます。(ドラマなので誇張されている部分はあるかもしれませんが)
新社長に就任した主人公(仲村トオル)は銀行員のキャリアはかなりあるものの、飲食店については素人です。
まず、彼が行ったのは、FC展開しているブランドのお店を細かく回り、お客さんとして実際に食べて自分がどう感じるか、そして店長や従業員の声を拾うことを始めたのです。
机上の店舗ごとの売上や利益の分析はもちろん大事なことですが、なぜ不振になっているのかは、「現場」を見なければ分かりません。
内装が古くなっているのに、なぜ改装しないのか?
メニュー単価はなぜ高いままなのか?
客層が固定化されているのはなぜか?
などなど、現場を回っていると様々な疑問に直面してきます。そして従業員は「こうしたい」のに本部が取り合ってくれないなど、現場と本部の考え方が食い違っている状況が分かりだしたのです。
やはり、何事においても「現場」は大事です。そしてお客さんを見て感じて、何を求めているのかを掴むことこそ経営者の仕事だと思います。
経営者が、机に座ったままパソコンと向き合ってばかりいる会社は上手くいっていきません!
いくら経営者が孤軍奮闘していても、その下で働く社員に活気がなければ、会社全体が再生の道を歩むことはできません。
特に、「再生期」においては、ヒト、モノ、カネの資源に限度もあることから、現場には不自由な思いをさせることも多いかと思います。
そういう時こそ、社員が何をしたいのか? どうなっていきたいのか? それぞれの「夢」や「希望」を聞いてあげることが大切になると思います。
何を格好つけたことを言って・・と言われるかもしれませんが、私も300社以上の会社を見てきて、従業員のモチベーションが再生の肝になると感じています。
今は辛くても、これを乗り越えたら、「こんな会社にしたい」「こんな会社に勤めたい」と希望のある会社にしていくことこそ、経営者の使命と言えます。
そのためにも、「現場」「社員とのコミュニケーション」は特に「再生期」の会社には必要な要素であることを改めてドラマを見て、皆さんにお伝えしておきたいと思います。