リスケジュール(以下リスケ)を始めると、返済額をどのくらいに設定したらよいのか?との疑問が出てきます。色んな銀行が銀行の思うままの主張をしてくるので、「何をどうしたらよいかわからない」と悩んでしまう経営者も多くおります。
今回は、リスケ中の返済額の考え方についてお話をさせて頂きます。
銀行の返済額の考え方はキャッシュフローから導き出されます。
「キャッシュフロー」=「税引き後当期利益」+「減価償却費」
と考えるのが一般的です。
(リスケを実施している企業は「債務超過」で「繰越欠損金」がある会社がほとんどだと思いますので、税金については「均等割り」の負担しかない企業が多いはずです。)
この「キャッシュフロー」の〇%を返済に充当するかが、見解の分かれるところです。
銀行によっても決まりはなく、あくまで企業の実態に応じて〇%を決めて行っているのが実情です。
となると、その担当者の考え方によって見解が様々になります。
〇キャッシュフローの「全て」を返済に充ててください
〇キャッシュフローの「70%」を返済に充ててください
〇キャッシュローの「50%」を返済に充ててください。
などなど、企業の資金繰りや手元預金の状況などによっても、言ってくることはバラバラです。
ただし、「どれが正解で」「どれが不正解」というわけではないのです。
そうした場合、企業側として「一定のルール」を自ら設定することが大切になってきます。
一度リスケをしてしまうと原則として新たな借入が出来なくなります。(原則と書いてあるのは借り入れできるチャンスはあるためです)
そうすると、老朽化した設備の更新や、人員を増やすための人件費、仕入れ拡大のための仕入資金の手当ては自己資金で行わなければなりません。
そのため、せっかく頑張って稼いだ資金を全て返済に充ててしまっては、何のために経営しているのか分からなくなります。当然のことながら、借入金は返さなければなりませんが、返すスピードや方法を間違えてしまうと事業がストップしてしまう恐れがあるのです。
そのためには
手元資金をまずは、
※この数字は企業の実情によって変わってきます。
などの一定のルールを自ら作ることが大切です。
返済額を銀行が納得する額に合わせるのではなく、こちらからルールを作ることで、銀行との交渉を「受け身」ではなく「能動的」に進めることが大切なのです。
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