経営改善の途上にある企業経営者が、「社員に対して経営目標の数字をどのように伝えたらよいのか?」
と悩まれているケースをよく見かけます。
今回は、経営目標値の伝え方について、お話をさせて頂きます。
ひとつ例を挙げてみます。
この企業はA商品とB商品を主に製造販売している会社です。
A商品は、内製で製造できることから粗利は「60%」あります。
毎月の売上に占めるA商品の割合は60%です。
B商品は、外注委託しないといけないことから粗利は「10%」しかありません。
毎月の売上に占めるB商品の割合は40%です。
売上割合 (1) | 粗利率 (2) | 合計売上に占める 粗利率(1)×(2) | |
---|---|---|---|
A商品 | 60% | 60% | 36% |
B商品 | 40% | 10% | 4% |
合計 | 40% |
この会社の顧問税理士は
「毎月の全体粗利率を「40%→45%」に引き上げましょう」とだけアバイスをしているようです。
しかし経営者は頭では分かっているものの、社員に対してどう具体的に指示していいのか分からない状況でした。
では具体的とは、どのように考えを伝えていけばいいでしょうか?
まずは、最終のアドバイスの結論を出すまでの過程を並べてみるといいでしょう。
たとえば
などの考えるアプローチがあります。
その後いろいろと検討した結果
の3点の具体的な目標値ができたのです。
最初にお話した「全体粗利45%を目指しましょう」のアドバイスと、上記A~C商品への具体的な数値のアドバイスがあるのと、どちらが分かりやすいかは一目瞭然です。
社員への指示もしかり、顧問先へのアドバイスもしかりですが
「なにを」
「どこまで」
「どのように」
の具体的な表現が出来るか否かが、特に経営改善が必要な企業にとっては必要不可欠なのです。