リスケジュール(以下リスケ)を実施している企業は、経営改善計画書を提出していると思いますが、およそ3年~5年の期間での改善計画を明記しているはずです。
実際に改善計画書を提出している企業のみなさんは、一回出したら、その情報を更新しているでしょうか?
今回は「改善計画書の中身を1年ごとに見直してみる!」ことをテーマにお話をさせて頂きます。
物価や為替、株価、政治情勢など刻々と状況が変化しているなかで、大企業においても四半期の報告をする際に、業績の「上方修正」もあれば「下方修正」をすることがあります。
まして、体力の乏しい中小企業であれば、なおさら「外部環境」によって状況の変化に業績が左右されてしまうことは多々あります。
そのために、数年前に作成した業績予想が変わってしまうことは当然のことであり、逆に数年前に作成した数字に縛られるほうがおかしいのです。
また、近年深刻な人不足な状況もあり、人件費の増加や人員確保の広告宣伝費も嵩んできている状況も刻々と変化しているはずです。
毎年どのタイミングで数値をアップデートすべきかするかについてですが、一番いいタイミングは直近期の決算が確定した時期だと思います。
直近期の実績値と計画値のかい離部分を見直したうえで、今後1年間の見通しを踏まえて、売上・原価・固定費の配分を再検討します。
当初、作成した事業計画よりも「上振れ」することもあるでしょうし、逆に「下振れ」になることもありえます。仮に「下振れ」になったとしても、当初作成時の状況から何が変わったのかについて、明記しておくことが必要です。
また、返済計画についても、当初の見通しからキャッシュフローが悪くなることもありえますので、数年前の返済計画に縛られないためにも数値の見直しは必須です。
では、ブラッシュアップした事業計画書を提出された金融機関はどのような反応をするでしょうか? 恐らく、一度承認した事業計画の数字が変わってしまうことから、最初は嫌な反応をすることもあると思います。(要するに再度稟議を上げることを面倒くさがる)
ただし、毎年の状況の変化に応じて柔軟に見直しをしている姿勢をアピールすることは、決して金融機関からの評価がマイナスになることはないでしょう。
資金繰りの見通しや返済計画の見直しについても、相談する拠り所として「最新情報の事業計画」は大切なツールになりますので、是非見直しをしてみてください。
「過去に作成した数字」に縛られることなく、「現時点での将来予測の数字」で会話をしていくことが、結果として「会社を守る」ことになることをよく念頭においてください。