「うちの会社の会議は種類が多い」、「うちの会議は時間が長い」などの愚痴をよく聞きますが、この愚痴が出てくる会社の共通点は何だと思いますか?
そうです「業績が悪い会社」です。
そういう私は、銀行員時代から「会議が嫌い」「会議なんていらない」と思っている人間でしたので、私の考え方は極端に聞こえるかもしれません。
ただ、事業再生で多くの会社を見てきた中での共通点は「会議のあり方」にもあると思い、今回は「会議の短縮化」についてお話をさせて頂きます。
会議にもいろんな種類があると思いますが、そもそもなぜ会議が必要になるのでしょうか?
「社内の意見交換の場」「会社の方向性を一致させる」「新しい企画案を検討するため」などなど、多くの目的があって会議という場を設けると思います。
しかし、会議は社員の就業時間を拘束してしまうデメリットもあります。貴重な時間を割いて会議を実施するわけですから、会議を実施する以上、「目的」及び「求める結論」を最初に決めておく必要があります。
業績が不振な会社であればあるほど、経営者ばっかりが説教じみた話をし、ノルマが達成されていないと叱責する場にもなっているのをよく目にします。
また、「そもそも会議の目的は? そこから得る結論は?」が終わった後に分からなくなっているケースが多いのです。
もちろん、上場企業のような大会社でも会議が多く、長い会議の会社もあるとは思いますが、中小企業においては、会議の回数や長さは基本的に経営者の考え方で決めていることが多いと思います。
つまり「ダラダラ長い、回数の多い」会議の戦犯は経営者にあると言っていいでしょう。そういう会社ほど「決められない、決めたことを実行しない、実行しても継続しない」ことが散見されます。
では、なぜ会議が多くなってしまうのか?これは社内コミュニケーションがとれていないことが大きな理由に挙げられます。物理的に遠方の営業所や支店などの方が集まって話をする意味はあると思いますが、多くは普段のコミュニケーションのなかで解決できる話も多いはずです。
つまり経営者が社員と密に会話をする機会を意識的に作っていけば、会議はいらないと私は思っています。
私が銀行員の時には「会議のための会議」のように「会議のための資料作り」「会議のための上司との打ち合わせ」など、本番の会議に至るまでの前段階で「会議疲れ」をしていた感じです。
大組織ならこのような根回しは必要かもしれませんが、中小企業においては、そこまでのことをする必要性はないと思います。そのためには前述のように「会議の目的」「会議で得る結論はなにか」を最初にきちんと決めておくことです。
人間の集中力が保てる時間はどのくらいか?については諸説ありますが、私は「30分」だと思っております。
1時間以上も会議をしていれば煮詰まって議論も進まなくなります。
そこで、意識的に「会議は月1回、30分以内」にしてみてはいかがでしょうか?そうすると1回の会議で30分以内にするために、知恵を絞り、結論を事前に得られるように周囲の皆さんと話す機会が増えてくるはずです。
また、「会議が短い」ことで文句を言う社員は少ないと思います。
皆さんの会社におかれましても、「会議のあり方」から会社の動きを変えてみることを是非お勧めします。