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【事業再生ブログNO.23】粗利を社内の共通言語にしてますか?

2016/06/20

業績不振企業の特徴として「売上」を追い求める会社が多いと感じます。資金繰りを手当てするために無理にでも「売上」を作ることで資金繰りを回してしまうことです。しかも、売上ばかりを追うことで肝心の「粗利=利益」を忘れてしまってしまうのです。
今回は、いかにして「粗利」を意識した会社に改革していくのかについて、私の経験談をお話します。

「売上」は誰でもすぐに分かりやすい

「売上」は誰にでもすぐに分かりやすい数字です。ですから、社内の会議や管理資料でも「売上」の資料はどんな会社にでも備えてあります。「今月の売上はいくら足りないぞ!」と社長から尻を叩かれることも多いと思います。

しかし、どんな業種でも売上だけの管理でいいのでしょうか?仕入が全くない業種で粗利が100%の会社であれば、「売上」=「粗利」ですから、売上のみの管理でいいと思いますが、卸売業や小売業などは「仕入」が必ずありますし、製造業や工事業でも「人工代」が必ずかかります。

つまり、原価を意識していない会社は、売上はあったとしても「黒字」なのか「赤字」なのか見えていない会社が多いはずですし、かつ「資金繰り」も忙しい会社になっていることが多いのです。

「粗利」はすぐには分からない

「粗利」を把握するためには、「仕入原価」や「製造人工代」「作業人工代」や「材料費」などのデータを集める必要があります。そのためには「営業部署」だけではデータが集められないことが多いと思います。
つまり、「粗利」を捕まえるためには「売上」を管理する「営業部署」と「仕入や材料費・人工代」を管理する「総務経理」や「工場の責任者」との連携が必要になるはずです。

管理部門との連携こそが「黒字体質」企業への転換契機になる

私が、「粗利」把握を重視している理由のひとつが、「営業」と「管理部門」の連携を図るためであり、かつ「社内の一体化」を目的としているのです。「粗利」の把握は「社内一体化」のためのひとつのきっかけや目的のためなのです。

私のクライアントでは「今月の売上はいくらか?」ではなく「今月の粗利はいくらか?」の質問を良くします。それは「粗利を把握するための癖をつけること」であり、「粗利を把握するためのルールを社内に意識づけ」させるためです。皆さんの給料の源泉は「売上」ではなく「粗利」なのです。年間売上が1億円あったとしても、粗利が固定費や給料に足りていなければ、意味がないのです。逆に売上が半分の5000万円しなくても、固定費分の粗利を確保できていれば、経営は持続可能です。

社内の管理を「売上」だけにしている会社は、是非「粗利把握」のための「管理会計」をどうしたら良いのか?について顧問税理士とも相談して、管理体制の改革に着手されることをお勧めします。

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