中小企業における大きなリスクのひとつに「経営者のリスク」があります。それを金銭的にヘッジするために「経営者保険」があります。
しかし、中小企業の経営者の保険金額を見てみると、特に業績不振企業においては過大に掛けられているケースをよく目にします。
今回は「事業再生」における「経営者保険」について私なりの考え方をお話させて頂きます。
私も含めてかもしれませんが、「生命保険」に関しての知識は「プロ」ではないことから、広く浅くしか知識がない方がほとんどだと思います。また、「経営者保険」加入当時は、業績も良く、「節税」の意味も込めて加入したケースが、ほとんどと思います。
出来るだけ多くの金額を設定し、退職金の意味も込めて加入しているはずです。しかし、業績が低迷してくると、資金繰りとしても毎月の保険金が負担になっているのにも関わらず、生命保険のカットに自ら切り込む経営者はほとんどおりません。 自身の退職金の希望をなかなか捨てきれない経営者も多いと思います。しかし、業績不振企業にとって○年後の退職金よりも目先の資金繰りが大切なのは言うまでもないことです。
保険の種類にもよりますが、毎月(年払いのケースもありますが)の保険料が半分損金や、全額損金になるタイプもあります。業績不振の場合、資金繰りへのダメージの他に、損益にも影響を与えてしまいます。
業績好調時には「節税」になるのですが、「黒字化」に向けて努力している際には、逆に「足かせ」になります。また、満期返戻に達するまであと○年かけ続ければとか・・欲が出てしまうのも現実にありますが、さきほど話した通り、○年後の満期よりも目先の資金繰りや損益が大切です。
では、「再生途上」にある会社が保険金額の設定を考える際に、何を目安にすればよいでしょうか?
この順番はあくまで、私見であるので、絶対的な考え方ではありませんが、会社にとって何が一番のリスク要因なのかをきちんと考えたうえで適切なリスクヘッジとして「保険」を使っていただけたらと思います。