リスケを実施する際に、「経営改善計画書」を必ず提出することになりますが、その数値に対して皆さんは、「こだわり」と「責任」をもっているでしょうか?
計画書作成当初は、意気込んで、「このぐらいの利益回復は可能だ!」と自信をもっていたとしても、なかなか目標値にたどり着かないケースがかなり多く見られます。また、金融機関からも「なぜ計画値に達しないのか? その原因は?」と説明を求められます。
その原因はどこにあるのか?について今回はお話させて頂きます。
目標利益に達しない一番の原因は「売上計画」の未達にあると思います。計画書作成当時にはこのぐらいはいける!と思っていても、外部環境もしかり、営業人員の動き方の見込み違いで目標に達しないこともあると思います。
売上予測が雑な経営者に共通するポイント大きく下記の3点が挙げられます。
「将来の予測は過去を振り返ることかが始まる」これは、どんなことにでも当てはまることですが、過去は売上不振だったのに、計画一年目から売上が増加する計画は非常に危険です。
まずは、過去3年間の売上の構造を分析することが必要です。どんな商品が売れていたのか?どの取引先が伸びているのか?逆にどの商品や取引先の売上が低迷しているのかを冷静に分析することから将来予測は始まります。
ただ、今月の売上はたった一行で「10百万円」と終わらせてしまってはいけません。商品や取引先によって原価率は違っているはずです。また、資金繰り表を作成する際においては、取引先ごとに「回収サイト」も異なってくるはずです。面倒くさいと思う方もいると思いますが、カテゴリー別の売上積算を行っていかないと「絵に描いた餅」の売上計画に必ず陥ります。
改善計画書を作成するにあたって、経営者自身が「売上計画」を作成するケースもあれば、部下に作成を丸投げするケースも見かけます。社内目標値であれば、部下が作成しても構わないと思いますが、金融機関に提示する計画値については、最終責任者は経営者にあります。他人に作成を委ねた数値では、説明する時の説得力が欠けてしまいますし、何より自身の会社の数値をトップが作成しないのはありえません。
本来、改善計画書はトップ自身が作成するものなのです。経営者自身が積極的に作成に関与していく姿勢が大切です。