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【事業再生ブログNO.17】2016年は『暫定リスケジュール期間』の終了年度になります(その1)

2016/01/06

新年明けましておめでとうございます。
弊社も創業して5年目を迎えることができました。これも皆様のご愛顧のお蔭と深く感謝申しげます。
新年におきましても、経営の現場で起きている生の情報をお伝えすべく、当サイトの内容も充実させてまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
それでは、本年1本目のブログをお届けします。
皆様の記憶にまだあると思いますが、2009年12月に施行された「中小企業金融円滑化法(以下円滑化法)は2013年3月に終了しました。円滑化法が実施された期間中にリスケを実施した企業数は推計で40万社と言われております。
この40万社に対して、円滑化法終了後においては、業績の回復及び返済の道筋を示す準備期間として3年間の猶予期間が設けられていることをご存知の方は少ないと思います。この3年間の期間は「暫定リスケ期間」と呼ばれており、その期間においても回復のめどが立たない企業に対しては、市場からの撤退を余儀なくされると言われております。
2016年度は、まさにリスケ実施企業においては、正念場の年になるのです。この1年をどのように対処していくのかのヒントを2回に分けてお話させて頂きます。

暫定期間中の最大のノルマは「営業利益の黒字化」にある

改めてリスケ実施企業が、リスケ期間中にやらなければならないことは以下の4点です。

  1. 経営改善による収益力回復を図る
  2. 手元資金の向上により借入に頼らない体力をつける
  3. 安定かつ継続的な返済を行い、借入金の返済の道筋をつける
  4. 金融機関とのコミュニケーションを図り、常に今後の対応を相談できるように管理体制の改善を図る

しかし、実際にやらなければならないことをきちんとできている企業は40万社のうち、1割程度と言われており、残りの9割の企業は「リスケ慣れ」になっていると見なされているのです。巷ではこの9割の会社を「ゾンビ企業」とも呼んでおります。

中小企業においては、この「暫定リスケ期間」の間には消費税増税、人手不足の加速化などの逆風も吹いておりますが、外部環境のせいだけにしていては事態は何も変わりません。自らの努力が伴わないと金融機関からの協力はもう終わると考えても過言ではありません。

では、具体的にどのような状態になればよいのか? それは「営業利益の黒字化」が最低条件です。「営業利益」とはご存知のとおり「本業の利益」です。

つまり、本業の収益力の回復が見られない企業は

  1. 市場から求められていない
  2. 改善の努力の本気度が見えない

このような見方をされても致し方ないと思います。私のクライアントを見てみても、「リスケ慣れ」していると思われる経営者に共通しているのは「本気度が見えない=自分に甘い」ことです。

「市場からの退出」=「自己破産」を頭では分かっていながらも、やることは今までどおり、利益が上がらないのは他人のせいにしてしまう経営者が多いのです。先日、11月からご契約いただいた経営者から「今まで自分が甘かったと思います。取引先や社員に甘えていた自分と決別します」と私に言って下さいました。

精神論的のような話で恐縮ですが、ここに気づくが気づかないのかが大きな分岐点なのです。売上がまだあるということは、市場のニーズがある証拠です。それでも、利益が上がらない会社なのは何故か。

それは、「経営者自身が甘い」のではないかを、今一度振り返ってみてください。

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