複数の銀行と取引があり、リスケジュール(以下リスケ)を実施する場合、元金の返済額を決めるにあたって「プロラタ」の言葉を銀行から良く聞かれると思います。この原則を守っていないと、取引行からの不満が出て、リスケ実施されなくなります。
今回は、「プロラタ」の意味をきちんと理解して頂いて、銀行交渉にどのように望めばよいのかをお話させて頂きます。
複数の銀行と取引がある場合には、残高も各行バラバラなはずです。例えば下記のようなケースがあったとします。(リスケ時の直近の全ての借入残高を示しております)
A銀行 50百万円(50%)→毎月500千円
B銀行 30百万円(30%)→毎月300千円
C銀行 20百万円(20%)→毎月200千円
合計で100百万円の借入があったとします。そこで、残高のシェアを算出し、毎月の返済額を按分するのが「プロラタ返済」といいます。例えば、毎月1百万円の返済原資があると、上記のように残高シェアで按分していきます。なお、このプロラタは「残高プロラタ」と呼ばれており、有担保、無担保関係なく、単純に残高で按分する方法です。無担保部分だけで按分する方法は「信用プロラタ」と呼ばれております。(今回は信用プロラタの詳細のお話は省略します)
会社の資金繰りが厳しくなって、銀行の元金返済の資金を確保できなくなってしまって、頼みやすい銀行に返済を当面ゼロにさせて欲しいとお願いをし、他行の返済は通常通りでやってしまった場合には、各行で返済の不平等が生まれてしまいます。かつ、この不平等返済の期間が長くなると、リスケ時に各行の意見調整をするのが、より困難になります。
リスケのタイミングが一致していない場合に、先行してリスケを実施した銀行は、後発の銀行に対して返済していた月数分を先行銀行にも返済してほしいとのお願いをするケースがあります。
そこまで、細かいことを言わないケースもありますが、さきほどもお話した通り、リスケの正論はタイミングを全て一致させることにありますので、タイミングの不平等分の返済は揃えることになることを、よく覚えておいてください。そうでないと、不一致分の月数分の返済額を用意できないで、いつまでも全行一致のリスケが成立しないケースもよく見られます。
リスケは
この2点が必要条件になることを改めて認識しておいてください。