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【事業再生ブログNO.11】リスケ期間中では金利は下げられないのか?(その2)

2015/08/11

前回に引き続き、「リスケ期間中では金利が引き下げられないか?」をテーマにお話させて頂きます。
今回は、金利上昇分を元本に充当する交渉について、お話します。

金利上昇分を元金に充当することは可能か?

リスケを実施して金利が引き上がることで、金利が4%以上の金利になってしまうと、金利負担だけでも会社の損益や、資金繰りに影響を与えることになります。「リスケ実施」=「リスク増加」となることから、金利が引き上がってしまうことについては、お話した通りですが、高金利ばかりを払っていては双方にメリットがありません。

というのも、銀行としてはリスク債権(リスクある融資)に対しては、少しでも早めに元金を返済してもらうことがリスク軽減につながりますし、貸倒引当金対象の貸出金残高が減少することも、銀行にとってはコスト削減につながります。
そこで、高い金利分を元金に充当する交渉手段があります。

具体的な例を挙げて話してみます。

毎月100千円の元金で、金利が50千円払っている銀行があったとします。この金利が仮に5%だとします。この金利はリスケ前「2.5%」でしたが、リスケ実施により、「5.0%」に引き上げられたとします。5.0%で返済していれば、元金と利息合計で150千円を毎月返済していることになります。

しかし、金利負担を軽減したいとの申し出行うことで、金利を変更前の2.5%に引き下げをします。そして、利息引き下げ分を元金に充当します。

その結果、毎月の元金125千円 金利25千円に変わることになります。元金と利息の合計額は150千円で変更有りませんが、利息軽減分が元金に加算されることで、元金の返済スピードが上がることになります。

この交渉のポイント及びメリットは下記のとおりです。

  1. 元利金の合計額は変えない
    元利合計の返済額は変更前、変更後も150千円です。ここがポイントになります。債務者側としては、毎月の支払額は変更がないことから、資金繰り悪化にはつながりません。要するに、支払う金額は同じで、内訳を変えてもらうことになります。
  2. 他行にも同じ交渉を行っていくことが可能
    複数の銀行と取引をしていて、他の銀行でも金利引き上げをされたケースでは、交渉に成功した銀行の話をすることで、同じような対応をしてほしい旨、相談をすることが可能です。 銀行は他行の動向を気にしますので、この話をこちら側に有利に展開させることもできることになります。

このように、リスケをお願いすると、債務者としては、なかなか銀行に言いにくい話だと思われている経営者も多いと思いますが、実際に実施している事例も多く、銀行としても一概に拒否しない話なのです。 リスケを実施している企業経営者の方は、この方法を一度検討してみることをお勧めします。

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