リスケジュール(以下リスケ)をいざ実施すると、借入金利は上昇してしまうことが一般的です。しかし、銀行との交渉の過程や、会社の財務内容等の好転により、金利を逆に引き下げることが可能です。今回は、金利を引き下げるポイントについて、2回に分けてお話させて頂きます。
1回目の今回は、金利が上昇するロジックと、金利が上がる貸出金、上がらない貸出金についてお話します。
リスケを実施すると、信用格付けは「要注意先以下」にランクダウンされます。信用格付けの更新は通常では、決算を更新する年1回の見直しですが、リスケが実施されると「臨時見直し」を行うことになり、格付けのランクダウンをするのがルールです。
つまり、会社の信用度が下がることになるので、回収リスク(倒産確率)が上がることになり、その上昇分を金利に転嫁せざるを得なくなり、企業に対して金利の引き上げ交渉を行ってくることになるのです。銀行は、貸出先のランクダウンに伴い、貸倒引当金を計上する必要があります。引当金は銀行にとってはコストであり、そのコスト上昇分を貸出先に転嫁することになります。
答えから言うと、全ての借入金の金利が引き上がることになりません。さきほどお話した通り、金利の上昇は貸出金の回収リスクが上昇したことに起因します。その話を逆手にとれば、回収リスクが変化しない貸出金の金利は上昇しないことになります。(ただし、あくまで市場金利が上昇していないことが前提です)
このように借り入れ全てを一括りで考えないで、中身を確認すれば、銀行との交渉の活路が開けることになります。