会社の業績を見るうえで「売上」は一番大きな指標になりますが、ここだけに目を向けている会社=社長は、高い確率で経営難に陥ります。
今回は、売上だけに目を奪われている会社が陥りやすいケースについてお話します。
営業担当者であっても経営者であっても「売上」の数字は管理しやすく、その場でわかる数字です。営業を管理するのも売上のグラフさえできれば、今月はいくらの予算が達成しているかが一目瞭然です。
しかし、「売上」以上に大事なのは「粗利=利益」になります。極端なことを言えば、売上は値下げを気前良くしてしまえば、作ることは比較的簡単ですが、粗利益を管理するのは原価計算がしっかりしていないとなかなか難しいのですし、適正な値段で売るには「営業力」が問われます。
沢山の会社や経営者にお会いしているなかで、「売上」だけに目がいっている経営者の共通点があることに気が付きました。いったいどのような共通点があるでしょうか?気づいたものを挙げてみます。
1.~4.に共通していることは「お金、数字に疎い」ということです。
また、売上以外の社内管理は経理や税理士等の「人任せ」にしていることも共通点にあります。そして、資金繰りを管理していないことから、足りなくなるとすぐに「借入をしなければいけない」の発想に至ってしまいます。
経営者であれば、誰にでも共通していることだと思いますが、売上だけに目を向けている経営者は特に「売上が下がる」ことに抵抗感が強いと感じます。資金繰りを作るためには、本来は「利益」で資金繰りを創出していくべきなのですが、「売上」で埋めてしまう発想をもってしまうと、無理な受注や売上を作ってしまい、実はその売上の採算は「低採算」でそのツケは、後日資金繰りに反映されてしまうといった「負のスパイラル」に陥ってしまうのです。
では、「粗利」を把握するためにはどうしたらよいのでしょうか?これは業種によっても様々です。製造業と卸売業における粗利把握のポイントを挙げてみます。
会社の存在意義は「利益」を上げて、社員、株主やその他利害関係人に報いることにあります。「売上」はあくまで「粗利」を得る「ツール」である!と認識を変えることが、「数字」に強くなる一歩なのです。