【銀行融資ブログNO.174】運転資金を「短期コロガシ」で借りるメリット・デメリットはなにか？（その１）

事業を継続していくうえで、必要となる「運転資金」については長期借入ではなく「短期コロガシ」での調達が望ましいとの話をこちらでは何度もしてきました。
では、実際に「短期コロガシ」を導入するにあたってどのようなメリットがあるのかについて今回はお話させて頂きます。（デメリットは次回にお話しします）

「短期コロガシ」の最大のメリットは資金繰りの平準化にある

運転資金を「短期コロガシ」にするメリットは以下の３つがあります。

➀毎月の元金返済負担がなくなり資金繰りが平準化される
➁借入の「色」を区別することで借入本数が少なくなる
➂銀行と自社のビジネスの動きについて「相互理解」が深まる

➀は「短期コロガシ」にすることで、これまで長期で借り入れていた毎月返済額がなくなることで、資金繰り負担が軽減されることです。長期借入で借入をする場合は設備導入に伴う設備借入かコロナ融資のような非常時に備える借入しかないはずです。資金繰りを考えるときにも「短期コロガシ」のほうがストレスが少なくなります。

➁借入の「色＝種類」とは基本的には「運転資金」「設備資金」の大きくふたつに分かれます。（納税・賞与資金、M&A資金等の特殊な借り入れは除きます）
理想形としての借入本数は「運転資金」「設備資金」のふたつになり、運転資金は1本、設備資金は設備導入タイミングごとに1本となります。
つまり、運転資金を「短期コロガシ1本」に集約させることで借入本数を減らし、管理がしやすくなるメリットがあります。

➂運転資金を「短期コロガシ」にするためには、単に銀行にお願いしただけではダメです。「短期コロガシ」にするためには運転資金を構成する要素（売掛金＋在庫-買掛金）の動きを銀行に理解してもらうことが必要です。
具体的には試算表や資金繰り表、売上明細、事業計画等の資料を整備し、自社の状況を定期的に報告することが必要になります。

この資料の整備や銀行との対話を面倒と感じる方もいるかもしれませが、「メリット」を享受するためには債務者も銀行に歩み寄る努力が必要なのです。

このように「短期コロガシ」を導入すると「資金繰り」・「借入管理」・「銀行との関係良化」のメリットを享受できるようになります。是非ともチャレンジする価値はありますので「運転資金は短期コロガシで」を覚えておいてください。

デメリット

➀売上の増減により運転資金の金額も変動する
➁期日到来時の元本継続方法が金融機関よって異なることから資金繰りに影響がある
➂銀行への資料提出が面倒に感じる恐れ