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【銀行融資ブログNO.168】あなたの会社の借入額規模はどのくらいが適正ですか?

2025/08/15

「借りられるだけ借りておく」「いくらまでなら借りられますか?」の言葉をよく耳にします。
金融機関がいつ見方や姿勢を変えてくるのか分からないので「借りられるうちには借りておく」の気持ちはよくわかりますが、それぞれ会社には借入額の「適正規模」があります。
今回は「借入規模の適正な額はどう考えたらよいのか?」についてお話をさせて頂きます。

借入規模を図る指標は大きく3つある

借入額はいくらが適正か?については、業種や職種などの特性に応じて変わります。「在庫」をもつ必要がある業種あれば、まったく必要がない業種もありますし、「設備」を必要する業種や必要としない業種でももちろん変わります。(不動産賃貸業や病院・倉庫業などのいわゆる「装置産業」は例外と考えてください)

しかし、一般的に考えられている借入規模を図る指標には以下のものがあります。(それぞれの詳しい説明は省略します)

〇「月商倍率」で考える
 「月商倍率」とは平均月商の何か月分の借入金を有しているかを図る指標で、一般的によく目にする指標です。では月商の何か月分が適正かについては様々な見解がありますが、私は「1~4か月」が「適正規模」で「6か月を超える」と「要注意・危険水準」と考えています。

〇「借入依存度」で考える
「借入依存度」とは「総資産」に占める「借入金」の割合を指します。総資産で「他人資本」たる「借入金」の割合が多ければ多いほど会社の財務内容は悪化します。

「短期借入金」+「長期借入金」/総資産(銀行では「実態総」資産額で計算します)の割合がおおむね「60%」以内に収まるのが「正常」範囲で、「60%」を超えると「異常」と見ます。

〇「CF倍率」で考える
最後に借入額と返済原資たるキャッシュフロー(以下CF)(税引き後利益+減価償却費)の比率を考えます。
考え方としては、全ての借入金で考えるのではなく、運転資金額(売掛金+在庫-買掛金)を控除した(「総借入額」-「所要運転資金」)÷CF=〇年 で考えます。

この〇年が「10年以内」に収まっているのが「正常な範囲」となります。

借入適正規模は会社の状況に応じて変化するもの

さきほど挙げた3つの指標を見ると分かると思いますが、会社の売上の増減や会社の資産の増減、利益の増減によって会社の適性借入額は変化していきます。

つまり、昨年の適正規模が今の適正規模とは限らないのです。

会社が現在どのような状況にあり、借入適正な額とはどのくらい乖離しているのか?を常にチェックしておくことが、必要です。
「前はこのぐらい銀行は貸してくれた」とぼやいたところで、自分自身の状況の変化を見れらない経営者は融資が受けられないと言ってもいいでしょう。

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