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【銀行融資ブログNO.167】「ゾンビ企業」って単語の意味をわかりますか?

2025/08/01

コロナ禍からよくメディアで使われ始めている「ゾンビ企業」という単語があります。皆さんは「ゾンビ企業」の単語の意味が分かりますか?
「ゾンビ」?何か生きているのか死んでいるのか?分からない言葉ですが、特に難しい定義ではありません。ただ、「ゾンビ企業」に当てはまる企業は変革をしなければ間違いなく破綻してしまいます。
今回は「ゾンビ企業」の言葉の意味とその原因についてお話しします。

「ゾンビ企業」の定義はなにか

「ゾンビ企業」への定義は複数あります。学術的には「事業自体に懸念のある企業であるが、事業再構築が行われることなく、債権者や政府の金融支援によって破たんを免れている」とされています。ただ、これでは抽象的過ぎてイメージがわかないと思います。
一方、国際決済銀行(BIS)によるゾンビ企業の定義は、「設立10年超で3年以上にわたってインタレスト・カバレッジ・レシオ(利払いに対する営業利益+受取利息・配当金の比率)が1を下回る企業」とされています。
「インタレスト・ガバレッジ・レシオ」も何か難しい感じがしますよね。

私は経営者向けに説明する場合はもっとシンプルに

「支払利息>営業利益」になっていると「ゾンビ企業」と言われますよとお伝えしております。

つまり、本業の利益(営業利益)で借入金利(支払利息)を払えない状態ということは、仮に「リスケ」をして「元金0」にしたとしても利息の支払すら出来ない状態であり、経営としての艇をなしていない状態なのです。

「ゾンビ企業」となる原因は何か?

では「ゾンビ企業」となってしまう原因は何か?代表的なものを2つ挙げておきます。

〇借入金が過多であること

借入金が過多であること、これはコロナ禍を経て顕著になっています。コロナ期間を乗り越えるために「コロナ融資」で負債を増やしてしまった企業は多くあると思いますが、大事なのは「コロナ融資」ではなく「コロナ以前」から借入額が多い企業で「コロナ融資」でさらに負債が膨らんでしまった企業を指します。借入過多の定義はここでは詳しくは延べませんが、簡単に言えば借入年間返済額がCFを大きく上回っている状態で、借入を続けなければ返済不能な状態のことを言います。

〇本業の利益率が低く、「売上>利益」志向が強いこと
「営業利益が少ない、または赤字」であるとは、本業で稼げていない、またはコストが高すぎるといえます。
営業利益の低迷の原因も様々ありますが、「単価設定が低すぎる」「人件費が無駄に多く稼働していない」「本部コストが高すぎる」が主たる理由にあります。
また、利益率が低い会社に共通しているのは「売上ばかりを追って、原価計算が出来ていない」ことです。

「ゾンビ企業」からの脱却は容易なものではありませんが、目を逸らしていると必ず「破綻」します。

皆さんの会社は「支払利息>営業利益」になっているかいないか?ここをよく見ておいてください。

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