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【銀行融資ブログNO.163】借入本数が多い企業の特徴とは(その2)

2025/05/15

前回は借入本数が多い会社の特徴を4点挙げました。
➀銀行の提案をそのまま受けて、借りられるときに借りている
➁資金繰りが厳しくなったら借りるような「場当たり的」借入をしている
➂設備資金で当初借入したが、返済がきつくなっている
④本業が「赤字」で保証協会も既に枠いっぱいに借りている
結論としては、借入本数が多い企業は「財務戦略がない会社」と見られてもやむを得ないでしょう。今回はそのような状況で借入本数を減らすためにはどうしたらよいのか?についてお話します。

本数をまとめて「一本化」は有効ではあるが返済額の軽減効果はあまり期待しないこと

銀行から「複数の借入をまとめて一本化しましょう」との提案があります。確かに本数を減らすことは実現できますが、まとめるのは基本的に「公庫」か「保証協会」が主になります。
しかし、特に「保証協会」においては「責任共有制度」や「保証料率」の関係で、まとめることができるものとできないものもあり、一気に本数を減らすのは難しいのが現実です。(公庫は比較的一本化しやすい傾向があります)

また、一本化することで毎月の返済額を軽減させることができるケースがあります。返済期間の残存年数をまとめることで長期化することで毎月の返済額を減らすことが可能です。ただ、大きく返済期間を延ばさない限り、資金繰りへの効果はそこまででもないことはご承知おきください。

借入本数を減らすために必要なのは「資金繰り管理」

上記の特徴➁に関することになりますが、借入本数が増える根本的な原因は「資金繰り管理でできていない」ことです。
資金繰りが厳しいので「借りられるだけで何でもいい」が本数をいたずらに増やしてしまう最大の原因です。資金繰りが厳しいのはなぜなのか?

〇本業が赤字だから厳しいのか
〇本業は黒字だが返済負担が大きいのか
〇上記二つとも該当するのか

資金繰りが厳しい原因を探るには「資金繰り表分析」が不可欠です。本業が赤字であるならば、借入で解決はできません。本業の見直しと返済負担の軽減を同時並行で行う必要があります。

また、本業は黒字なのに返済負担が大きい場合は「正常な運転資金」・「設備資金」・「その他」の3パターンで借入を区分する必要があります。
特に「正常な運転資金」については長期で返済がついた借入ではなく、「短期コロガシ」の借入にシフトすることで本数を減らし、返済負担を軽減させる「ダブルの効果」が生まれます。

つまり、借入本数を減らすためには

〇資金繰り表をまずは作ってみる
〇本数が多い原因を分析する
〇自社の財務内容を理解し、そのうえで資金使途に応じた借入にチェンジさせる

この3つの動き方が必要になることを認識してください。

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