ホーム > 銀行融資ブログ > 【銀行融資ブログNO.162】借入本数が多い企業の特徴とは(その1)

銀行融資ブログ
銀行融資ブログ

【銀行融資ブログNO.162】借入本数が多い企業の特徴とは(その1)

2025/05/01

皆さんの会社は借入の本数を覚えていますか?
ご相談を受ける会社に多いのが「借入本数がかなり多く何本借りているか分からなくなっている」ことです。
では、なぜ借入の本数が多くなってしまうのか?そしてどうしたら借入本数を少なくできるのか?解決するには借入の中身を知り、借り方を覚えていくことが大切になります。
今回は「借入本数が多い企業の原因」をテーマにお話しします。

本数が多い会社の特徴

まず、借入本数が多い会社の主な特徴を下記に挙げてみます。

➀銀行の提案をそのまま受けて、借りられるときに借りている
➁資金繰りが厳しくなったら借りるような「場当たり的」借入をしている
➂設備資金で当初借入したが、返済がきつくなっている
④本業が「赤字」で保証協会も既に枠いっぱいに借りている

➀は自社の戦略がなく、銀行の提案をそのまま受けてしまい、銀行都合での借入を続けていることで本数が増えてしまうケースです。④にも共通しますが、銀行はリスク回避のために保証協会の「特別融資制度」や「地域限定制度」の商品が出ると、積極的にセールスしてきますが、その提案も何の疑問もなしに借りていった結果でも本数が多くなります。

➁は普段から資金繰り管理をしておらず、資金繰りがきつくなったら借りてしまうことを繰り返しているケースです。④にも共通しますが、このケースは本業が「赤字」のケースが多く、既に返済原資が確保できていおらず、借りられるときに借りてしまうことを繰り返した結果で本数が増えてしまいます。

➂は➀と➁とは違います。
例えば設備を導入して設備の償却年数が10年で返済期間も10年で設定したとします。
設備を導入することで売上とCFが拡大する計画の下でスタートしたが、当初予定していた売上計画が未達でCFが確保できなくなり、返済原資が足りなくなります。
そこで、返済原資を補うために新規借り入れをしてしまいます。そうすると本来は設備借入1本の返済で済んでいたものが、新規借り入れを増やすことで本数も増え、さらには返済額も増えてしまうことになります。

④は➀、➁、➂の全てを網羅した理由になりますが、本業が赤字になるとプロパー借入が難しくなり、銀行も保証協会の提案しかしてきません。また、空き枠の範囲内でしか借入ができず、少額の借入を何回も繰り返していくことで本数が増えることになります。

つまり、「借入本数が多い」=「資金繰り・財務・銀行戦略がない会社」と言えます。
次回は、借入本数を減らすための策についてお話しします。

ページTOPへ