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【銀行融資ブログNO.150】これからの融資は「官民協調」が重要なキーワードになる

2024/10/01

銀行融資の借り方は様々ですが、近年は「官民協調」の形態で融資を実行するケースを多く見かけます。
「官民協調」のワードが世に出たしたのは3年ほど前からですが、背景として民間銀行がリスクを避ける傾向を改善するために出てきたものです。
今回は、これから融資を引き出すためにも是非覚えて欲しい「官民協調」についてお話させて頂きます。

「官民協調」とはどういった融資なのか

「官」とは「日本政策金融公庫」、「民」とは「民間金融機関」のことを指します。では、具体的には「官民協調」の融資には以下の3パターンがあります。

  1. 「公庫」+「民間プロパー」
  2. 「公庫」+「保証協会」
  3. 「保証協会」+「民間プロパー」
    →保証協会が民間銀行を紹介する制度もあります。
例えば、10百万円の資金需要があった場合に、単純に公庫だけ、保証協会だけで10百万円を借りるのではなく、公庫5百万円+保証協会5百万円などと複数の組み合わせで10百万円を調達するイメージです。

日本政策金融公庫の「資本性劣後ローン」においても、公庫だけでなく民間銀行からも融資を受けることが条件になっております。(民間銀行の融資は「保証協会」「プロパー」どちらでもOK)
これも「官民協調」のタイプになります。

特に公庫は「民業圧迫」を避けるために、公庫単独融資を避ける傾向がありますので、公庫にとっても「官民協調」は望ましい借り方になります。
また金融機関にとっては「リスク分散」になり、「官民協調」の大義名分が立ちますので融資をする理由付けにも大きく寄与します。

一方、債務者にとってのメリットは「調達パイプの拡大」と「プロパーを引き出せるチャンスを得る」ことになり、債権者、債務者双方にとってメリットが大きいといえます。

「官民協調」融資を実現するためには「プロパー」をいかに引き出せるかがポイント

よくあるケースは、民間金融機関から「保証協会融資の枠がまだ空いておりますので保証協会保証付きで融資はいかがですか?」と提案された場合への対応です。

保証協会融資はどの金融機関で借りても基本的には同じです。(特定の金融機関と保証協会が連携した制度がありますが)例えば、複数の金融機関と取引をしていて、A銀行だけで保証協会を使ってしまった場合に、B銀行はどう思うのか?を考えてください。恐らくB銀行は「Aだけで保証協会枠を使っている」と思うでしょう。

その場合には「A銀行で保証協会を借りますが、A銀行からは同時にプロパーも出してもらいました」となるとB銀行も納得感が出てきます。

この場合、A銀行は「官民協調」を使った融資と見ることができます。

つまり、A銀行に対してB銀行に説明するためにも「プロパーを組み合わせて欲しい」と、こちらから要求することが大切なのです。

このように「官民協調」融資は、当事者全てにメリットがあることが分かると思います。今後、融資を検討する際には単独融資ではなく協調型の「官民協調」を是非検討してください。

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