先日、私のクライアントが決算期末において法人税の納税をするために、メインの信金に借り入れを打診しました。そこで信金の担当者からは「納税は本来自己資金で行うべきものなので、借入の場合、金利は高くなります」と説明がありました。(しかしクライアントは自己資金で納税できる資金は十分にある会社です)
実は、私が銀行員時代に習った考え方とは真逆なのです。今回は「納税用の借入の金利は高いものか?それとも低いものなのか?」についてお話をさせて頂きます。
以前も、こちらでお話ししたのですが、銀行融資の中で「納税専用」の融資があります。銀行では「決算賞与資金」と言われているもので、資金使途としては「夏・冬の賞与資金」や「中間・決算期末の納税資金」になります。(当然ですが「消費税」納税用では融資はおりません。消費税は預かっているものなので)
ただ、世間では納税用の資金繰りを工面するために、「運転資金」として長期借入にて資金を調達しているケースを多く見かけます。
さきほど「決算賞与資金」の資金使途について触れましたが、一般的には賞与は夏・冬の年2回、納税も中間・期末の年2回(もちろんそれ以上に中間納付がある会社もあります)
つまり、決算賞与資金の返済を「6ヶ月の分割返済」にすることで、年2回発生する支払のタイミングがちょうど合う形になります。
「借りて返済をし、6か月後に完済してまた借りる」
このリズムを資金繰りに入れることで、資金繰りが平準化される効果があります。
では、今回の本題ですが、「決算賞与資金」借入の金利は高いのか?低いのか?どちらが正解でしょうか?
私は銀行員時代には「納税資金は短期分割返済でリスクが少ないので、積極的に他行が出している分のシェアを奪ってきなさい」と教えられておりましたし、納税での融資は稟議はスルーパスに近いぐらいほぼ通るものなので、安心して推進しておりました。
信金の見解と私の見解の相違点は
「納税資金は自己資金で行うべき」VS「納税資金は6ヶ月返済だからリスクは少ない」
ここにあります。もちろん、信金が言っている「自己資金で賄うべき」は正論ではありますが、では私のクライアントのように自己資金で納税できる資金繰りにあるものの、納税借入をしてみようとする会社でも金利は高くなるのでしょうか?
これは信金がきちんと資金繰りを見ておらず、画一的に「納税借入=自己資金乏しい」とミス判断をしていると感じます。
「金利」=「リスク」に見合う対価のはずです。
皆さんは、信金と私の考え方のどちらが正しいと思いますか?