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【銀行融資ブログNO.140】子会社や関連会社がある企業への融資判断はどうやっているか?

2024/03/15

自社に子会社や関連会社がある場合に、金融機関から「子会社・関連会社の決算書を出してほしい」と言われることがあります。
金融機関は、なぜ子会社等の決算書を欲しがるのか分かりますか?
今回は、金融機関が子会社等の決算書をなぜ要求し、その決算書をどのように見ているのかについてお話しします。

親会社の資産は簿価通りの価値があるのか?

金融機関が子会社等の決算書を要求する理由は大きく以下のふたつの理由があります。

  1. 親会社と関連会社との取引内容(モノとカネの流れ)はどのような関連性があるのか
  2. 子会社の財務内容は純資産がプラスになっているか?債務超過なのか
  1. については、親会社との取引において
    • 親会社の資金が子会社に流れていないか?
    • 親会社が子会社の資金繰りを支えるために、子会社に必要以上に有利なサイトを与えていないか
    • 親会社の業績を良く見せるために、子会社を使って売り上げを立てるなど「粉飾」をしていないか
  2. については、
    • 子会社は正常な資産をもち、資金繰りに窮していないか
    • 子会社が赤字・債務超過であった場合、親会社からの資金提供で支えているのか
    • 親会社の出資金や貸付金は棄損していないか

つまり、親会社が子会社等に対して、出資等の資金提供をしている場合、親会社の資産は正常なものかどうかを見たいのが目的です。

子会社や関連会社への「貸付金」はマイナス評価になる?

中小企業等でよくあるケースですが、子会社等が赤字で資金繰りが回らない状況で、親会社が資金を貸し付けて資金繰りを何とか回しているケースがあります。

子会社へ貸し付けることはやむを得ない理由があるとは思いますが、ここで気を付けなければいけないのは「親会社が銀行から借りたお金で子会社へ貸し付けている」と見なされることです。
親会社は金融機関から「運転資金」で借りたお金を、子会社に対して貸付を行っていた場合、親会社への融資は「運転資金」ではなく「転貸資金」と資金使途が変えられます。

つまり、親会社に融資をしても、そのお金は子会社に流れてしまうことから、今後親会社への融資は厳しくなるのです。
かつ、子会社等が「借りたお金を返す力がない」と判断された場合、親会社が銀行へ返す力も懸念があると見なされます。

話をまとめると

親会社が「債務超過・赤字である」子会社等への貸し付けを行った場合、親会社の融資審査は厳しくなるのです。

子会社等を設立して事業を拡張することは問題ありませんが、親と子の資金関係には目を配っておくことが重要になります。

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