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【銀行融資ブログNO.138】役員報酬の設定額をB/Sから考えてみよう

2024/02/15

皆さんは役員報酬の額をいくらに設定するかをどのように考えていますか?
多くはP/L(損益)から考えていると思います。もちろん利益が出ないと役員報酬は取れませんので損益から考えるのが王道だと思います。(赤字でも生活の為に役員報酬を取らないといけませんが)
今回は、視点を変えてB/S(貸借)から役員報酬をいくらに設定すべきかをお話しします。

「実質長期負債」の「年間返済額」は必ず必要

B/Sの視点でまず考えるのは借入金の返済です。(無借金であれば考える必要はありません)借入金にはふたつの種類があり、「運転資金」と「運転資金以外」の借入に分けて考える必要があります。
私はクラインアントに対しては以下の➀~④の手順でお話をしています。

➀「運転資金」=「売掛金」+「在庫」-「買掛金」で計算します。(詳細な説明は省略します)

➁次に、「実質長期負債」=「全ての借入金」-「運転資金」を計算します。
「実質長期負債」とはCFで返済すべき借り入れになります。「運転資金」はCFで返済すべき借り入れではありませんので、全ての借入金から差し引きます。

➂そこで実質長期負債に該当する借入金の年間返済額がいくらになるのかを調べます。
例えば年間返済額が5百万円だとしたら、減価償却費と税引後当期利益の額が最低でも5百万円は確保しておく必要があります。

④CFの最低確保額から逆算した役員報酬額を決める

この考え方が絶対とは言いませんが、借入金の返済を阻害する役員報酬額を設定していると、現預金が減っていくのは当然のことですが、さらに返済のための新たな借入金を増やさざるを得ないことに繋がります。

仮払金や貸付金が発生してはいけない

次に、役員報酬の額が足らなくて、会社の預金を私的に使ってしまってはいないか?も考える必要があります。銀行融資の審査において「仮払金」「貸付金」がある会社は融資しづらいのが一般的です。
そもそも、なぜ「仮払金」「貸付金」が発生してしまうのか?の理由を考えると

〇会社のお金で支払ったが「領収書」がなく「使途不明」になってしまった
〇役員報酬が少なすぎて生活費を会社のお金で補填している
このふたつが大きな原因にあります。

そこで役員報酬の額を考える際には「あまりに低すぎて生活費が足らない」状況は回避しないといけません。

〇「実質長期負債」の返済額から逆算した役員報酬
〇「仮払金」「貸付金」が発生しないための役員報酬

役員報酬の源は「本業の利益」であるのは当然ですが、上記ふたつの観点のどちらかに偏ってもいけませんし、どちらの観点もバランスを見た上で役員報酬を決める必要があります。

B/Sからの観点も参考にしてみてください。

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