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【銀行融資ブログNO.137】融資の稟議にて一番大事な「申請事由」とは何か

2024/02/01

皆さんは「申請事由」という言葉を聞いたことがありますか?
銀行において貸出稟議を作成する際に、最後に「申請事由」という項目に記載しなければなりません。
財務内容等の検証を行って最後に「なぜ貸すのか」といった理由を記載することを言いますが、銀行融資において「申請事由」が何か?は大きな意味があります。今回は銀行の中でしか分からない「申請事由」についてお話をします。

「申請事由」とは

冒頭で触れましたが、「申請事由」とは

〇なぜこの企業・個人に
〇なぜこの金額を
〇なぜ当行が
〇なぜ融資したいのか?しなければならないのか?

を簡潔にまとめて記載します。

これは銀行だけに限った話でなく、世間でも設備や備品を購入する際には稟議を提出して上席の承認を取りますが、、その購入の意味や理由を記載しているはずです。

銀行では上記のとおり、

➀貸出相手
②貸出金額
➂貸出当事者
  

この3つのポイントについて説明する必要があります。

3つのポイントに融資の全ての要素が入っている

では3つのポイントについて説明しますと

➀貸出相手

なぜ、その企業などに貸すのかについてですが、
〇新しく取引を開始したいのか?
〇既に取引関係があり、例年通りの融資であるのか?
〇既に取引関係があるが、さらに取引増強を図りたいのか?
〇当行は長年のメイン行であり、他行が消極的ではあるがメインとして支援したい

➁貸出金額

〇新しく取引をしたいのでまずは手始めでリスクの少ない金額の範囲で始める
〇運転資金の範囲内で当行シェア応分の支援額である
〇ライバル他行のシェアを奪取したく金額を増やしたい
〇業績が低迷してきており、例年額よりも減らしたい

➂貸出当事者

〇新たに当行を取引行に加えたい
〇他行と強調して当行もシェア応分の責任を果たしたい
〇当行は長年のメイン行であり、他行が消極的ではあるがメインとして支援したい

このような理由を記載していきます。

銀行融資に必要なのはなぜこの会社に融資するのかの「大義名分」がいります。
「申請事由」にはこの「大義名分」が全て含まれているのです。

「申請事由」を一緒に考えてあげることも大切

申請事由を考えるのは銀行担当者の仕事であり、債務者側には何ら関係のないだと感じるかもですが、銀行担当者と一緒に考え上げるのも融資成功への近道になると思います。

例えば

〇この新商品・新サービスが販売開始されてさらなる業績拡大に繋がり、今後の銀行取引が拡大する
〇過去は赤字が続いていたが、銀行と約束した業績は残せる自信があることから引き続き支援して欲しい
〇この融資が成功すれば、他行からの提案を暫く断ることもやぶさかではない
〇融資の条件で売掛金回収を当行に一部変更してもいい

などなど融資を行う理由や、銀行側のメリットを一緒に考えてあげることも大事になります。

皆さんも融資を銀行にお願いする際に、まずは自身が銀行の「申請事由」はどう書いたらいいのかを考えてみることもいいトレーニングになると思います。

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