運転資金の資金調達には「短期コロガシ」が望ましいとのお話しを何度かさせて頂いております。
「短期コロガシ」には毎月返済がないことから資金繰り上のメリットは大きいのですが、短期であることから、借入期間は最長でも「1年」の縛りがあります。
では、期日が到来した時に返済はどうするのか?について今回はお話しさせて頂きます。
短期コロガシの運転資金を貸し出す方法としては「手形貸付」「当座貸越」の2種類の対応が一般的です。
例えば、手形貸付にて10,000千円、期間1年、期限一括返済にて運転資金の借入をしたとします。
1年後の期日到来時には、債務者としては10,000千円を用意しておくほうがいいでしょうか?
実は、金融機関によって異なりますが、2パターンの対応をしてきます。
つまり、➀は事前に10,000千円の資金が必要ですが、➁は資金を用意する必要がありません。
この違いは資金繰り上では大きいことが分かると思いますが、どちらが正しくて、どちらが間違いというものでもありません。
銀行融資用語では
➀を「決裁新規」「実質継続」扱い
➁を「同額継続」
と呼んでいます。
➀は一旦返済して同額を新たに融資するが、実態は「継続」扱い
➁は単純に継続させることから返済を行わない扱い
これまでの私の経験上ですが
➀は「地銀」「信組」「信金」で行うケースが多い
➁はメガバンクで行うケースが多い(私がいた「りそな銀行」では➁が普通でした)
つまり、短期コロガシの融資を獲得できたとしても、返済期日の扱いについてきちんと借り入れ金融機関に確認しておく必要がありますので、よくご注意ください。
運転資金が同額で継続されるのは、業績に変動が無いことが前提です。
売上が減少している時には、運転資金(売掛金+在庫―買掛金)の金額が減少していることから、減額対応されることはよくあります。
運転資金が減額される場合(仮に運転資金が10,000千円→5,000千円に減少)には、上記の➀、➁の返済方法の場合
このような対応に変わります。
皆様の会社での業績がどうなっているのか?それによって運転資金の期日時の資金繰りも大きく変わってくることになりますので、常に「運転資金」はいくらになっているか?を確認しておくことが必要です。