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【銀行融資ブログNO.132】建設業者に「当座貸越」が導入できた!

2023/09/01

事業を運営するにあたって必要な「運転資金」の必要性については、何度かお話しさせて頂いております。また正常な運転資金は「短期コロガシ」の形態(返済がついていない)にて借入するのが望ましいことも何度かお話ししてます。
この度、私のクラインアントで建設業(広義の建設業・狭義ではとび職)にて「当座貸越」の枠を獲得することができましたので、その背景と理由についてお話させて頂きます。

「3業種」に当座貸越はなかなかできない

銀行融資には「3業種」と呼ばれる融資を検討には難易度が高い以下の業種があります。(過去には不況業種とも呼ばれていました)

〇建設・工事業
〇不動産業(不動産賃貸業、不動産仲介業、不動産売買業)
〇金融業(リース・貸金業など)

特に、建設・工事業、不動産業については「1プロジェクト1融資」と言われるように、ひとつの案件に対して一回の融資が「紐づいている」形態が原則です。なのでひとつのプロジェクトが終了して売上を回収し、融資を完済したら、次の融資を検討することになります。

また、銀行には、3業種に対し「運転資金」の概念がなく、「1プロジェクト」毎の必要資金として融資を行うように教育を受けております。まして「短期コロガシ」にて融資を受けるのはかなり難易度が高いと言えます。

「短期コロガシ」が供与できない背景としては

〇資金使途がなかなか追えない(本当にプロジェクト資金に使われているか追えない)
〇売上先・仕入先が毎回変わるケースが多く把握が難しい
〇1案件ごとに採算管理がきちんとできているのか追えない

など銀行がお金の動きを把握しづらいことが背景にあります。

逆の考え方をすれば、お金の動き方を銀行に理解してもらうことが、運転資金を獲得するためのポイントになるのです。

建設業が当座貸越を導入するメリットは

私のクライアントは、これまで必要な資金は「長期借入」のみで調達しておりました。
日々、多くの現場数をこなしており、1プロジェクトごとに借り入れをしていては手間かかることから短期運転資金の導入を行っておりませんでした。

ただ、売上の回収サイトが「2か月」、外注費等の支払サイトが「1ヶ月」であることから、「1ヶ月」分の運転資金は常に必要な資金繰りであることから、「短期運転資金」の導入をメインバンクにお願いし、かつ借入と返済が柔軟にできる「当座貸越」での融資を依頼しました。

また当社ではメインバンクに売上の回収口座の指定や外注費などの支払機能を寄せることを2年前から行い、カネの流れを把握してもらう努力を行っていたことが評価され、今般下記の条件にて当座貸越枠を3億獲得できたのです。

〇全体の売上回収額は「融資シェア」に応じた入金を行う
〇外注費の支払明細は毎月銀行に提出する

当座貸越枠を得ることで、毎回プロジェクトごとに融資をお願いする手間もなくなり、外注費リストを提出するだけで融資が受けられることになります。

つまり、3業種であっても「カネの流れ」をきちんと理解してもらえれば、短期運転資金の獲得は可能になることを知って頂ければと思います。

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