金融機関の貸出稟議書に「ピーク残高がいつでいくらか?」の表記があります。
これはどの時期に、貸出最高額を出したのか?を見るものですが、今回の融資でピークを越えるのかどうか?を気にしていることを皆さんご存知でしょうか?
今回は、金融機関の独特の考え方である「ピーク残高」についてお話をさせて頂きます。
まず、ピーク残高はには二つの考え方があります。
ひとつは「保証協会保証付きなど保証がついている」融資残高を含めたピーク残高で、ふたつめは「プロパー」のみの残高でのピーク残高です。
重視するのは、もちろん「プロパー残高」になりますが、保証協会付を含めた残高でも、自身の銀行が「メインバンク」の位置になるのか?他の銀行が融資を継続して行っているかいないか?の観点も重要になってきます。
他の金融機関が最近では融資をしておらず、自身の銀行だけがピーク残高を更新し続けている中で、残高を増やしているような状況があったとすると、審査部門から「ストップ」がかかることもあり得ます。
銀行員は2年~3年で転勤がありますので、どの時期に誰が担当していた時が「ピーク残高」を記録していたのかはその時、その時の担当者が自身の立ち位置を見ておく必要があります。
仮に、貸出先が倒産した場合、
過去に遡って調べて「貸出事故報告書」を本部に提出することになります。
特に「プロパー」残高の推移については、細かく報告することになるので、銀行員としては「ピーク残高」は常に頭に入れているのです。
債務者側の企業としては、今回の融資はその金融機関の「ピーク残高」を越えてしまうので、融資をお願いしないほうがいいのか?というわけではありません。企業が成長すれば必要になる融資額も増えるのは当然ですので、過去のピーク残高ばかりを気を付けていると資金調達ができなくなってしまいます。
ただし、過去のピークを超える場合には、
このような点を気にしておくといいと思います。(何もなければそれに越したことはありません)
また、政府系金融機関には民間銀行の残高を超える融資を控える(民業圧迫を回避)考え方もありますので、この点も併せて念頭に置いておいたほうがいいでしょう。
「借りられるときに借りれる金融機関で借りる」
このような場当たり的な資金調達を行っていると、思わぬ「落とし穴」がありますので、「ピーク残高」の考え方も覚えておきましょう!