お金を借りる際には「資金使途」を尋ねられますが、一般的には「運転資金」と「設備資金」と大きく二つに分けられます。
設備資金以外は運転資金として借入をしていると思いますが、その際に運転資金を長期借入にて調達するケースを多く見ますが、実はこの借り方は大きな間違いです。なぜ長期で借りるのが間違いなのか?について今回はお話しします。
「運転資金」の言葉は広い意味で使われておりまずが、「運転資金」の中身も銀行融資審査では細かく区分されています。(多いところでは60種類ほどあります)では「運転資金」の中身を大きく区分してみると以下のようになります。
上記を見ると、実際に融資審査における「運転資金」の範囲は狭いことが分かります。ただ、上記の全てを広義の運転資金として借りているのが現実なのです。
正常な運転資金(売掛金+在庫―買掛金)はCFで返済するものではなく、常に借りっぱなしになっているのが正しい使い方です。売り上げの変化がなければ、正常な運転資金の必要額も変わらないことから常に会社は運転資金を借りている状態にしておかないと、資金不足になるのです。
融資審査では、正常な運転資金の返済原資は「売掛金」とされており、「CF=営業収益」ではありません。「売掛金」が返済原資ということは、売ったお金で返すことになりますが、売上がある限りは「常に返済し常に借りておく」=「借りっぱなし」にしておくとされいるのです。
運転資金は「借りっぱなし」=「短期コロガシ」で借りるのがセオリーなのに、なぜ銀行は長期借入を提案してくるのでしょうか?その理由は銀行のエゴが詰まっています。
このような銀行側の事情で「長期借入」になっているのが実態です。
「正常な運転資金」は「短期コロガシ」で借りることを改めて覚えておいてください。