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【銀行融資ブログNO.125】複数取引銀行がいる場合の取引バランスはどうしたらよいか?

2023/04/15

中小企業では複数の金融機関と融資取引を行っているのが普通だと思いますが、どの金融機関とどのくらいの借入残高の取引を行っていこうと、戦略的に銀行取引を考えている企業は少ないのが実情です。
企業側では「借りられればどこでもいい」と軽く考えていても、金融機関側では「他の金融機関」の動きをよく見ています。
今回は、取引銀行のバランスをどのようにしていけばよいのか?をテーマにお話しします。

メイン銀行の定義とは

「メインバンク」たる言葉がありますが、今では「死語」とも言われていますが、「メインバンク」の定義は一般的には「借入残高」が一番多い金融機関になります。

ただ、借入にも2種類あり「プロパー(信用)」と「保証協会保証付」の中身が大事になってきます。
例えば、借入残高が一番大きいA銀行は「プロパーが0」で「全て保証協会付」となっているが、B銀行は借入残高はA銀行よりも少ないが「全てプロパー」であれば、本当のメインバンクは「B銀行」になります。


つまり、メインバンクとは「プロパー」を出している金額が一番多い金融機関なのです。

しかし、金融機関側も「メインバンク」の解釈を都合よく言ってきます。

〇A銀行が一番残高が多いんだからA銀行に相談しなさい(B銀行談)
〇B銀行が唯一「プロパー」を出しているんだからB銀行ならやってくれるでしょう(A銀行談)

このような「押し付け合い」に巻き込まれないためにも融資をどこでいくら借りるのか?は戦略的に行っていく必要があります。

民間・政府系のバランスは

次に、政府系金融機関(公庫・商工中金)と民間金融機関のバランスはどうしたらよいのか?を考えてみます。

結論から言いますと

政府系金融機関は残高を1番にすることは避けること

です。ご承知の通り、政府系はあくまで「民間の補完」が役割になります。

特に近年では民間及び保証協会が単独で融資を行う(保証協会は保証をつけるだけですが)ことを避け「官民協調」といって、民間銀行の「プロパー融資と抱き合わせ」を条件にするケースが増えております。
これは、民間銀行がリスクを取らないことを是正する良い傾向だと思います。「官民協調」の流れからもわかるように、あくまで企業をリードするのは「民間金融機関」なのです。


つまり、貸出残高においては政府系は「民間銀行の下」に位置付けておくことが肝要です。

皆さんも決算書の科目明細で「借入残高内訳」のページで民間と政府系の残高を見てみてください。特に「政府系」しか取引をしていない、または「政府系」が一番多い企業は、これからの「官民協調」時代にはついていけないことになりますので、今後の融資戦略の見直しをお勧めします。

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