前回、「取引銀行のバランスをどうしたらよいか?」についてお話ししましたが、その際に、借入残高のバランスについて説明しましたが、今回は融資以外の取引の重要性についてお話をさせて頂きます。
例えば、融資の返済日が「月末」で融資取引のみの金融機関には、「月末」の前日までに引き落とされる元金と利息の金額を振り込んでおく必要があります。融資以外の取引が全くない場合には返済口座には元利金の振込入金と返済引き落としの履歴しか残りません。
これを金融機関では「ドライマネー」(感情や取引がないお金)といって金融機関が嫌う取引の一種になります。
反対に「ウェットマネー」(感情や取引があるお金)とはどういったものを指すのかと言いますと
つまり、融資の基本形である「運転資金」=「売掛金」+「在庫」-「買掛金」の動きを借りている銀行の口座で行うことが融資には必要になります。
よく金融機関の担当者から
お願いされたことはありませんか? 実は上記の「運転資金」のお金の流れを造るためにお願いしているのです。
しかし、複数の民間金融機関と取引を行っている場合に、全てのお金の動きを分散させてしまったら、経理担当者の事務は複雑になり、効率化とは逆の動きをしてしまいます。
そこで一番簡単なのは「売上入金口座」を融資シェアで分けることをお勧めします。
例えば
であれば、毎月の売上先の上位先をA~C銀行でシェア割りさせて、振り込んでもらうのがいいでしょう。
その場合には請求書に振込先の指定を取引ごとに変える手間が必要です。
さらに、さきほどは借入残高シェアでしたが、もう一段踏み込んで「プロパー残高」シェアで分けるのはベストになります。保証協会融資だけしかないリスクを取らない金融機関には振り込み口座などの付き合いは必要ないと私は考えています。
リスクを取っている金融機関にこそ、企業側も誠意を見せるべきであり、「運転資金」の動きはプロパー融資がある金融機関で実施してください。
まさにこれこそ「ギブ&テイク」の取引になりますので、皆さんも融資とそれ以外の取引バランスについて一度見直しをされることをお勧めします。