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【銀行融資ブログNO.119】新たな制度融資「コロナ借換保証制度融資」はどう使うのかいいのか?(その1)

2023/01/04

政府の補正予算成立により、2023年1月10日から新たな制度融資「コロナ借換え制度」が新設されます。
今回は本制度の概要及びどのように利用したらよいのか?について2回に分けてお話をさせて頂きます。

「コロナ借換制度」はコロナ融資以外も借換え対象となる

まずは本制度の概要についてですが

  • 保証限度額:(民間ゼロゼロ融資の上限額6千万円を上回る)1億円(100%保証)
  • 保証期間等:10年以内(据置期間5年以内)
  • 保証料率:0.2%等(補助前は0.85%等)
  • 売上高または利益率の減少要件(5%以上)、もしくはセーフティネット4号または5号の認定取得が要件。 また、金融機関による伴走支援と経営行動計画書の作成が必要。

となっております。
過去3年以内に借りた「民間版ゼロゼロ融資(コロナ融資)」はもちろんのこと、コロナ融資以外の借入についても借換え対象になると言われております。(「伴走支援融資」が対象です)

危機指定期間中(コロナショック期間)で借りた「80%保証分」も本制度(100%)に借り換えることも可能になります。

ただし、SN4号、5号の取得が条件となっており、SN4号であれば売上高または利益率の減少は▲20%以上、SN5号であれば減少率は▲5%以上が必要です。

また、SN4号、5号の認定を受けていないが、次の下記に該当する方も対象になります。

  1. 最近1か月間の「売上高」が「前年同月の売上高」と比較して5%以上減少していること。
  2. 最近1か月間の「売上高総利益率」が前年同月、「直近決算のいずれかの売上高総利益率」と比較して5%以上減少している又は「直近決算の売上高総利益率」が「直近決算前期の売上高総利益率」と比較して5%以上減少していること。
  3. 「最近1か月間の売上高営業利益率」が「前年同月、直近決算のいずれかの売上高営業利益率」と比較して5%以上減少している又は直近決算の売上高営業利益率が直近決算前期の売上高営業利益率と比較して5%以上減少していること。

つまり、コロナの影響に関わらず、物価高等で利益率や売上高が「5%以上」減少している方は対象になります。

金融機関による伴走支援と経営行動計画書の作成が必要

本制度の利用にはSN4号、5号の取得の他に、融資を受けるには「経営行動計画書」の作成が必要になります。計画書書式については金融庁HPにて公表されていますが、内容的には既にある「伴走支援融資」と似た内容になります。

ポイントとしては

  • 現状認識
    自社の強みと弱みを外部環境・内部環境にて把握する
  • 財務内容
    直近決算期での「利益率」「有利子負債倍率」などの6つの指標を明示(ローカルベンチマークの利用をお勧めします)
  • 計画終了時の目標値
    「EBITDA有利子負債倍率」が5年後にどうなるか?(イメージは5年後に正常先に目安となる「10倍」以内)
  • 具体的なアクションプラン
    売上・利益に対する課題に対して「いつ」までに「どのくらい」の目指すのかを5年間の道筋を立てる。
  • 5年間の損益・CF計画
    5年間の努力により利益及びCFをどのくらいまで高め、借入返済にどのくらい充当するのか

このような内容を金融機関と共に会話をしながら作成していきます。

つまり、アフターコロナに向けての自社の経営方針が金融機関及び保証協会の理解を得られるかがポイントになると思います。過去3年間何も手を打たずに「赤字を垂れ流している」企業の利用は難しいかもしれません。
申込が殺到することが予想されますので、まずはコロナ融資を借りた金融機関にお早めにご相談することをお勧めします。

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