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【銀行融資ブログNO.115】融資に関わる手数料はどんなものがあるか?(その2)

2022/09/15

前回から「融資に関わる手数料」の種類についてお話をしております。今回は「融資実行後」にかかる手数料についてお話をします。

融資実行後にかかる手数料にはどういったものがあるか?

融資実行後にかかる手数料には以下のとおり、大きく3つに分けられます。

  1. 金利にかかる手数料
    借入金利には住宅ローンのように「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。「変動金利」には基本的に繰り上げ返済や条件変更を行っても、「手数料=違約金」はかかりません。
    しかし、「固定金利」の場合は、当初約束した返済条件や借入期間が変更になる場合には、違約金を請求されることがあります。(金融機関によって取り扱いが異なるケースもあります)
    手数料のかかり方は様々ですが、1本あたりいくら?かかるケースや元金残高に対して〇%かかるケースもあります。
    特に固定金利でご注意頂きたいのが、「社債」「金利デリバティブ(金利スワップ)」にて固定金利を契約しているケースです。上記の違約金とは異なる計算式で算出されますので、高額になるケースもありますので、くれぐれもご注意ください。(私としては「社債」「金利スワップ」はそもそもお勧めしておりません)
  2. 繰り上げ返済時にかかる手数料
    手元資金が沢山余っているので繰り上げ返済をしたい、他行で好条件の融資を受けるので繰り上げ返済したい場合、既存の融資返済に手数料を課す文言が契約書に入っているケースも、近年よく見られます。
    このような手数料が出現した背景には
    • 自行の融資残高を防衛したい
    • 仮に返済を受けるにしても融資先に一定のペナルティをかけたい、かつ手数料収益を得たい
    このような思惑が見え隠れしてます。
    繰り上げ返済手数料には
    • 「自己資金」で返済する場合には手数料が不要な場合
    • 担保物件を売却して返済する場合、他行の融資で返済する場合は手数料が必要
    などなど細かい条件が設定されています。
    手数料に関する契約書は「特約書」の様式で、借入の「金銭消費貸借契約証書」とは別冊で契約をするケースがほとんどです。「特約書」の契約を行う場合は、よく内容の説明を受けておいてください。
  3. 条件変更時にかかる手数料
    リスケジュールを行うには、「条件変更手数料」が発生します。1本あたり30,000円~50,000円が相場です。また保証協会保証付き融資をリスケする場合には、保証期間が延長されることから「追加保証料」が発生します。 リスケにも「コスト」がかかりますので、多くの本数を借入していたり、保証協会融資の残高が多い企業は資金繰りに織り込んでおいてください。

このように融資実行時に始まり、融資期間中や、繰り上げ返済時、リスケジュール時など融資に関わる「手数料」は多岐に渡っており、今後その種類はさらに増えていくものと思われます。
「借りられればいい」ではなく、何がコストとして発生する可能性があるのか?も含めて契約前にきちんと説明を受けておくことを強くお勧めします。

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