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【銀行融資ブログNO.108】「メインバンク」の言葉は死語になったのか?(その1)

2021/12/15

皆さんは「メインバンク」の言葉を聞いたことがあると思います。では、皆さんにとって「メインバンク」とはどういう意味で解釈しているでしょうか?
コロナ禍で傷ついた企業をいかに、元気に再生させていくかは、まさに「メインバンク」の腕の見せ所になりますが、「メインバンク」の言葉の意味も時代と共に変わってきている感じがしております。
今回は、銀行にとって「メインバンク」の意味は何なのか?についてお話をさせて頂きます。

「メインバンク」とはプロパー融資残高が多い銀行のことを指します

皆さんは「メインバンク」の定義として「融資残高」が一番多い銀行だと解釈していると思いますが、もちろん融資残高の大小は「メインバンク」判定のひとつの要素となります。

しかし、銀行側からの「メインバンク」とは「プロパー融資」残高が一番多い銀行と言えます。

具体的に例を挙げてみますと

  • 保証協会の保証や他の保証会社融資制度に依存していない
    80%保証の融資制度があっても20%は銀行の負担になりますので、正確には保証割合も見る必要があります。
  • 本社・社長自宅を担保に取っている
    もちろん、無担保で融資を受けているほうが良いですが、本社などの不動産を担保にとってプロパー融資をしている銀行はメインバンクの位置づけと言えます。ただし、不動産担保を取られている場合は、企業の財務内容が悪い場合もありますので、この条件は必須とは言い切れません。
  • 取引先からの入金指定や支払機能の元受けになっている
    売上先からの入金口座に指定されている、仕入先への支払い口座の元になっているなど、融資取引だではなく、企業のカネの流れを起こしているかがポイントになります。

つまり、銀行と企業の関係が「保証依存型」ではなく「相互歩み寄り取引型」になっているかがポイントになります。

ただ、保証協会や公庫のみの融資取引がない企業もあるかと思います。
その場合は保証協会融資を借入している銀行が「メインバンク」となります(公庫は民間を超えるような支援はしません)が、皆さんが思っているような「困っているときに助けてくれる」スタンスでいるのかは、あくまでケースバイケースであります。その企業のビジネスモデルや企業体力、代表者の人間性によって判断は分れてきます。

今は、保証協会借入のみの融資取引の企業においては、少ない金額でも「プロパー融資」取引をしていくために何が必要かを取引銀行と常に対話を重ねておくことが必要です。

次回は「メインバンク」は頼りになるのか?についてお話します。

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