前回から「資本性劣後ローン」のお話をしております。前回は制度の最大の特徴である「借入」ではなく「自己資本」としてみなせることを解説しました。
今回は、「資本性劣後ローン」の目的と何のために利用するのか?についてお話をします。
返済期間が最大20年を許容し、かつ期限一括返済の形態は「融資」とは言えないぐらいのスキームです。では、この制度の最大の目的はなにか?
〇民間銀行からの融資を導くことで「官民協調」支援体制を作ること
にあります。
前回、劣後ローンの対象となる企業の条件として④として挙げたのが
4.「劣後ローン実施後、1年以内に民間金融機関からの協調支援が受けられる先」です。
これは何を意味するのかといいますと
といった流れになります。
なので、資本性劣後ローンを申し込む場合は、取引している民間金融機関に公庫から「資本性ローンを前提とした場合、今後の支援姿勢はどうですか?」と意思確認を取ります。
そこで、実際には企業としてはどういった順番で劣後ローンの相談を行ったらよいのか?ですが
この流れが私の経験上では、一番スムーズにいくと思います。
仮に、公庫は「OK」だとしても、民間金融機関が「NO」だとしたら、劣後ローンは「NO」の答えになります。
さきほどお話した通り、本制度の最大の大義は「官民協調体制の構築」にありますので、この点はよくお気をつけてください。
申込の流れが面倒に感じるかもしれませんが、「超長期」、「期限一括返済」かつ「資本性」である特徴をもつ融資制度は他にはなく、まさに「コロナの切り札」と言えますので、制度の概要をよく分かったうえで、ご検討ください。