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【銀行融資ブログNO.102】「資本性劣後ローン」はコロナ難局の「切り札」になる!(その1)

2021/07/15

皆さんは、「資本性劣後ローン」って融資制度を聞いたことがありますか?

劣後ローンって何?と思われる方も多いと思いますが、今私のクライアントでも長期化するコロナ禍を乗り越える切り札としてチャレンジをしております。
今回は、「資本性劣後ローン」について制度説明と本制度を利用する意義・目的について2回に分けてお話させて頂きます。

「資本性劣後」とは長期間「元金返済がない」ことを意味する

「資本性劣後ローン」は主に日本政策金融公庫にて取り扱っております。(今は民間独自の劣後ローンも取り扱っている金融機関も増えてきております)

制度の特徴としては以下の5点あります。(日本政策金融公庫劣後ローンの説明です)

  • 返済は「期限一括」返済で返済期間は「5年1ヶ月」「7年」「10年」「15年」「20年」のいずれかから選択
  • 期間中は利息の支払のみ
  • 金利は融資から3年間は「0.5」%
    3年経過後は税引後当期利益が「赤字」か「黒字」かで金利が変わります。
    (赤字が続けば「0.5」%のままで、黒字でも期間に応じて「2.6」%~「2.95」%)
  • 融資限度額は「国民事業」で7,200万円 「中小事業」で10億円
    (中小事業の対象企業規模はおよそ年商5~10億円以上です)
  • 本融資は、金融機関の「自己査定上」では「自己資本」とみなす

このような特徴があります。

簡単に言えば

  • 最長20年も元金の返済がない
  • 金融機関は「長期借入」ではなく「自己資本」(純資産に加算)とみなす

ことが大きな特徴です。

「20」年・・・住宅ローン並みの超長期です。

「粉飾」して得るものは何もない

「粉飾」する側の考えとして、誰も望んで粉飾に手を染める経営者はいないと思います。
「粉飾」のリスクを背負ってまで経営者が得たいものは何かを考えてみると

  • 金融機関からの継続的な資金調達をしたい
  • 仕入先・販売先から信用を維持したい
  • 建設業など入札資格等を維持したい

などの思惑があるはずです。

ただ、「粉飾」とは相手をだまして、実利を得ることになり(実利とは「融資」であり「受注」のこと)「詐欺」になります。
「粉飾」なんて上場企業をはじめ、世の企業は多くやっているだろう・・と考える経営者もいるとは思いますが金額の大小に関わらず「詐欺」は事実です。

劣後ローンが利用できるのは「債務超過」の企業が基本

では次に、どんな企業でも利用できるのか?という質問が出てきますが
利用対象者は以下の3つのいずれにかに該当する企業になります。

〇新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方。ただし、次のいずれかに当てはまる方に限る。

  1. J-Startupプログラムに選定された方(注1)または独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けて事業の成長を図る方
  2. 中小企業再生支援協議会の関与のもとで事業の再生を行う方または独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合の関与のもとで事業の再生を行う方
  3. 上記1および2に該当しない方であって、事業計画書を策定し、民間金融機関等による支援を受けられる等の支援体制が構築されている方
  4. 劣後ローン実施後、1年以内に民間金融機関からの協調支援が受けられる先

➀、➁については数多くの企業はないと思いますが、➂は認定支援機関が承認した事業計画書があればOKになります。(④については次回に説明します)

さらに重要なポイントになるのは、コロナショックにて売り上げが急減し、「債務超過」に陥ってしまった企業が対象となることです。
本制度の大きな特徴として借入金額分を「自己資本」としてみなしてくれることから、コロナショックで大きな赤字を計上し、債務超過に陥った企業に再建の時間とチャンスを与えることが大きな目的になります。

チャンスとは「真水」の資金を投下し、さらに「自己資本を回復」させることを意味します。

つまり、コロナ前から慢性的な赤字で債務超過に陥っている企業は「NG」だと言うことです。

あくまでコロナで落ち込んだ体力を回復させることが劣後ローンの狙いにあることを理解してください。

次回は「資本性劣後ローン」のもうひとつの目的や注意点についてお話しします。

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