皆さんは、「資本性劣後ローン」って融資制度を聞いたことがありますか?
劣後ローンって何?と思われる方も多いと思いますが、今私のクライアントでも長期化するコロナ禍を乗り越える切り札としてチャレンジをしております。
今回は、「資本性劣後ローン」について制度説明と本制度を利用する意義・目的について2回に分けてお話させて頂きます。
「資本性劣後ローン」は主に日本政策金融公庫にて取り扱っております。(今は民間独自の劣後ローンも取り扱っている金融機関も増えてきております)
制度の特徴としては以下の5点あります。(日本政策金融公庫劣後ローンの説明です)
このような特徴があります。
簡単に言えば
ことが大きな特徴です。
「20」年・・・住宅ローン並みの超長期です。
「粉飾」する側の考えとして、誰も望んで粉飾に手を染める経営者はいないと思います。
「粉飾」のリスクを背負ってまで経営者が得たいものは何かを考えてみると
などの思惑があるはずです。
ただ、「粉飾」とは相手をだまして、実利を得ることになり(実利とは「融資」であり「受注」のこと)「詐欺」になります。
「粉飾」なんて上場企業をはじめ、世の企業は多くやっているだろう・・と考える経営者もいるとは思いますが金額の大小に関わらず「詐欺」は事実です。
では次に、どんな企業でも利用できるのか?という質問が出てきますが
利用対象者は以下の3つのいずれにかに該当する企業になります。
〇新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方。ただし、次のいずれかに当てはまる方に限る。
➀、➁については数多くの企業はないと思いますが、➂は認定支援機関が承認した事業計画書があればOKになります。(④については次回に説明します)
さらに重要なポイントになるのは、コロナショックにて売り上げが急減し、「債務超過」に陥ってしまった企業が対象となることです。
本制度の大きな特徴として借入金額分を「自己資本」としてみなしてくれることから、コロナショックで大きな赤字を計上し、債務超過に陥った企業に再建の時間とチャンスを与えることが大きな目的になります。
チャンスとは「真水」の資金を投下し、さらに「自己資本を回復」させることを意味します。
つまり、コロナ前から慢性的な赤字で債務超過に陥っている企業は「NG」だと言うことです。
あくまでコロナで落ち込んだ体力を回復させることが劣後ローンの狙いにあることを理解してください。
次回は「資本性劣後ローン」のもうひとつの目的や注意点についてお話しします。