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【銀行融資ブログNO.92】融資の「否決」と「取り下げ」の違いは天と地の差があります

2021/02/01

金融機関に融資を申し込んで、審査の結果、「融資の決裁がおりませんでした」と回答された経験がある方もいると思います。
金融機関の人が融資を断る場合には、内部では2つの処理方法があることを皆さんはご存じでしょうか?
今回は、残念な話ではありますが、融資が断わられた場合の内部処理方法のお話をさせて頂きます。

「取り下げ」とは何か?

「取り下げ」とは融資審査を申し込んで後に、担当者が稟議を起こし、上席に承認を得る過程で、貸出先に難がある(財務内容や他行の動向などなど)ことから、融資が出来ないと判断した場合に、その稟議が「なかったことにする」ことを言います。

銀行によって取り扱いが違うかもですが、私の経験では稟議の発行番号を取り消して、稟議の記録を無くしておりました。
ただし、融資の申し込みや相談はあったことや内部で議論した記録は残しておきます。

下記に挙げている「否決」との大きな差は、まだ次の融資を審査をするチャンスはある!ことです。

「取り下げ」とは今回はご縁がなかったけども、企業側も努力の結果を残してくれれば、後日、また改めて審査はできる制度です。

「否決」とは何か?

一方、否決」とは「次の融資のチャンスは二度とない」点が前述の「取り下げ」と大きく違う点になります。

では「否決」とはどういったときに起きるのか?

私が経験したことであるのは案件が本部決済になる稟議の場面が多かった記憶があります。
本部稟議とは担当の支店の支店長まで回付され押印された稟議を、改めて本部で審査協議することは皆さんもよくご存知だと思います。

本部で審査するなかで、「本部としてはどうしてもOKが出せない!」場合に、支店と本部で言い争いになり、支店としての立場を強く押すため?(支店長のプライドもありそうですが)に「この稟議は本部で否決扱いにしてくれ」と指示されることがあります。
また、金融機関としては融資が難しいと判断しているにも関わらず、取引先があまりにしつこく食い下がる場合に記録を残すために敢えて「否決」の手段をとる場合もあります。

否決の場合は、起こした稟議は残りますし、「否決」された記録もずっと残ることになります。
(言い方は悪いですが、その取引先は融資取引先は「出禁先」となります。

よく銀行員は「総合的に判断して無理でした」とのフレーズを使いますが、少しでもダメだった理由を聞き出すことが、今後何を改善していかないといけないか?のヒントになります。

「否決」扱いにすることはそんなに多くないことではありますが、皆さんでもし融資が断られた場合には、可能な限り融資がダメな理由を具体的に聞かれることをお勧めします。

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