今年度はコロナショックをどの企業も受けている状況であり、今期の決算はコロナの爪痕が残る数字になるはずです。今回は、コロナ禍で着地した決算をどのように金融機関に説明したらよいのか?についてお話をさせて頂きます。
売上は前期比大きくマイナスになり、最終利益も赤字になってしまう企業がほとんどだと思います。ただし、見落としていけないのは、本当にコロナショックが赤字の要因なのか?という点です。
例えば
そのためには、昨年度から今年度にかけての「月別売上高」を時系列で作成してみるといいでしょう。
「台風」であれば昨年の8月、9月の状況、「消費税増税」であれば昨年の10月以降の売上推移を見てみるといいと思います。
さらに、コロナショックの影響は今年の2月以降の月別の売上推移を昨年対比で見てみることで、コロナショックの影響度が見えてくるはずです。時系列の説明だと金融機関にも説得力が増すはずです。
さらに、「売上の中身」はどうなったのか?についても分析してみましょう。
売上数字の結果だけではなく、売上を構成する要素「客数」「客単価」「リピート率」「仕入先」「販売先」の変遷も追ってみると説明に具体性が生まれます。
国や地方自治体の支援制度(持続化給付金、家賃支援、休業協力金、雇用調整助成金など)の利用状況はどうだったか?
助成金等を使って在宅勤務への対応や、社員の就業時間や働き方に変化があつたのか?
なども決算説明の際に触れておくべきポイントになります。
今期が赤字になるのは金融機関も容認するはずです。ただし、コロナ前と同じやり方をやっている企業はいずれ金融機関から選別を受けることになります。
今期の決算は、ただ漫然とコロナ禍の時間を過ごしてしまった企業と、コロナ禍で変化を恐れずにチャレンジしている企業なのかを見極める分岐点になると思いますので、よく念頭においてください。