既に多くの企業が公庫や保証協会経由でのコロナ特別対策融資を受けたはずです。
この融資で当面の資金繰りの目途がついて一安心されている方も多いと思います。また、元金返済の「据置期間」を認められた企業は暫くの間(最長5年)は元金返済の心配もないはずです。
しかし、いずれは元金返済がスタートします。返済がスタートする前に、このコロナ特別融資の制度を改めて認識しておく必要があります。
それは、「特別枠」融資であることです。今回は「特別枠」融資とはどういうものか?について改めてお話をします。
今回のコロナ特別融資は、平常時の「一般枠」とは別の「特別枠」にて審査を行ったことは皆さんもご存知だと思います。「特別枠」とは今回のコロナショックや天災・災害、リーマンショックのような経済危機の時に創設されるものです。
特に、今回のコロナ対策では「金利実質0」「保証料負担軽減」など過去にない優遇措置が取られました。
つまり、今回は「特別中の特別対応」であり、今後は同様の危機が発生しない限り、同様の制度融資は出現しないことになります。
アフターコロナでは、通常の「一般枠」での審査になりますので、コロナ特別対策融資の返済が進んだので返済前の残高まで復元したいといっても特別枠の折り返しはありえないことになります。(コロナの折り返しは一般枠でしかできない)
保証協会保証のコロナ特別融資においてはSN5号を除いて保証協会保証が「100%」となっています。
「一般枠」では責任共有制度の下で保証は「80%」となっており、残り「20%」は金融機関負担となります。
つまり、今回100%保証でコロナ特別融資を受けた方が返済が進んで、折り返しの融資をお願いした場合には80%保証の一般枠にて対応することになります。
金融機関側からすれば、20%とはいえリスクを負担するのは嫌がる企業(信用力が低い企業)には一般枠の融資を渋ることが容易に考えられます。
上記のとおり、コロナ特別融資への折り返しがない以上、コロナ特別融資の返済原資は「キャッシュフローを生み出す」「換金できる資産を売却する」の2つしか道はありません。
(その他代表者からの借入で賄う等の発想はやめましょう)
そうなると、今やるべきことは
この2つが重要になります。
将来を予測して、今何をすべきかが今こそ問われる時だということを念頭においてください。