前回からの続きになりますが改正民法(債権法)のお話をさせて頂きます。
今回は、事業承継に際しての保証協会の新しい制度融資と相続対策時でよく利用されるアパートマンションローンの保証人の取り扱いについてお話しします。
4月1日より保証協会の新しい制度がスタートしました。
内容は、3年以内に事業承継を行う予定のある一定の条件を満たしている※企業に対して、最大2億8千万円を無保証人にて融資するものです。
実際に融資を行う銀行に対して、経営者が負う個人保証に代えて、保証協会が保証人となるスキームです。
さらに、本制度融資にて既存の銀行プロパー融資にて保証人がある借入金を借り換える(旧債振替)もOKとします。「旧債振替」は通常は認められないものですので、これは画期的と言えます。
本制度適用企業の条件は以下の4点です。
このような条件があります。
また保証協会に支払う保証料については、各都道府県に配置されている「事業承継コーディネーター」の専門家の関与があれば保証料の軽減が受けられます。
(企業の評価次第では保証料は0%になります。(最低保証料0.2%はかかります)
ただ、上記➀~④の条件を満たせれば、本制度を使わなくても既存の債務保証は外せると私は思っていますが・・
大手行が、個人が貸家を立てるアパートマンションローンにて法定相続人の連帯保証を原則不要とすることになります。
改正民法の施行により、法定相続人といえども扱いは「第3保証人」となり、法定相続人を保証人にとる場合には「公証人」に保証引受の意思を示すことが必要になりました。
これまでは返済が出来なくなった場合に、保証人たる法定相続人が返済負担を追うことになっていましたが、その負担がなくなることになります。
2015年に相続税が強化されたことでアパート・マンションブームとなっていましたが、スルガ銀行問題もありアパートマンションローンに対して審査が厳しくなっている状況です。
さらに、法定相続人の連帯保証がなくなることで、審査基準がより引き上げられ、金利が引きあがることが考えらます。
今後、相続対策にてアパートマンションローンを検討されている方は相応の自己資金のもとで検討されることをお勧めします。