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【銀行融資ブログNO.67】経営者保証の二重保証問題

2019/09/15

経営者保証の「二重保証」は絶対に避けるべき

H26年2月に公表された「経営者保証ガイドライン」ですが、世間の認知度はまだまだ低い状況です。
私がセミナーを行っている際に「知っている方はいますか?」と聞いてみても会計事務所でも全体の10%ほどです。会計事務所でも知らないぐらいですから、経営者の方への認知度はもっと低いのではないかと想像できます。
今回は経営者保証に関して特に問題となっている「二重保証」についてお話をさせて頂きます。

「二重保証」になっている企業は全体の40%もある

まず「二重保証」とは何か?ですが、事業承継を行う場合に「旧代表者」は承継前から銀行に対して債務保証人となっていると思います。

事業承継を行った際に「新代表者」についても債務保証人として追加で保証人となり、「旧・新代表者」が「二重に保証人となっている」ケース、これが「二重保証」と呼ばれているものです。

さらに金融庁の統計では、事業承継を行った企業のうち全体の40%が「二重保証」の状態にあるのです。
晴れて後継者に会社を任せることになっても旧経営者は「保証人」からは逃れられていないのが実態です。

なぜ「二重保証」になってしまっているのか

私が銀行員の時は確かになんの考えもせずに「旧・新」どちらの方にも「保証人」になってもらうのが当たり前のようにやっていたのかもしれません。
「保証人」はその債務を完済するまで「外れない」と固定概念を頂いていたのでしょう。(一般的には債務を完済するまで保証は外れないとされています。さらに保証人が死亡しても保証債務が相続の対象になってしまいます。)

また、後継者に任せたとはいっても、旧経営者の「支配権」(まだまだ旧経営者がいないと会社が回らない)が残っている以上は、「保証債務から解放できない」といったことも理由にあったと思います。
実際に、「今日から後継者に任せた!」とはいっても急に旧経営者が会社に来なくなり、実務を指揮しなくなるのは現実的ではないと思います。

しかし、国としてはこの「二重保証」について問題視しており、2020年度から原則禁止とする方向で検討を始めております。(原則とついていることから一律どの企業にも適用されるとは言えない) まだ正式な指針は出ておりませんが、これから事業承継を考えている企業にとっては、いい情報だと思います。
今後、事業承継の数はさらに増加するのは間違いなく、「保証人問題」がよりクローズアップされてくるのも間違いありません。

新しい動きや情報が出ましたら、こちらでも積極的に発信させて頂きます。

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